海賊皇女は海をゆく (ページ23)

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お店があり過ぎて困ってしまい､バカラさんに静かな所でおすすめはありませんか?と聞くとある店を紹介された

少しだけ暗い室内
それでも居心地はとても良い
店内には数人しかいないのも嬉しかった

さらに優しいマスターが
私が『海賊皇女』と気づいたらしく
「静かな方がいいでしょう？」と個室ではないが
隅の隠れた席に案内してくれた

『海賊皇女』

島に居る時はなんて呼ばれたことなんてなくて
お兄ちゃんやマルコがからかってくるときぐらいだ

それなのに海に出てみたらびっくり
超有名人ではないか.......
もちろん悪い方で

海賊に狙われることはもちろん
人攫いに狙われることもしばしば

行き当たりばったりなのであれば
そんな奴ら相手にもならないが

計画的に､来られるとしばしば困る

もうかれこれ数回はやられかけた

なにやら、人攫いの頼み手達は
私を生きたまま捕えたものには望額を全て支払うとかなんとか

私にそんな価値があるなんて思えないけど.......。

まぁ、そんなわけでマスターの手配には
大いに感謝だ

話していたところでお腹がなってしまい
クスリと笑ったマスターは軽食まで出してくれた

落ち着く雰囲気に美味しいカクテル

お腹も満たされいい気持ちになってきた

そろそろ冒険にもどるかなぁ

お酒のグラスをカラカラと手で弄ぶ

綺麗な紫が光に当たる度キラキラと輝く

「A様ご機嫌ですね」

『えぇ､こんなに素敵なお店に来たの初めてですもの！』

「こんなに美しい方にそう言って貰えるとは

そんな素敵な貴方様にある殿方達から

"贈り物"です」

そう言って差し出されたのは2つのグラス

「此方は
『貴方様の燃え上がり透き通るまでの
美しい赤髪の"紅"』を

此方は
『貴方様が何より愛されているその海の"蒼"を』」

そう言うとマスターはすっと奥に視線を向けた

黒いコートに身を包み
恐ろしくこの大人な雰囲気が似合うブルジョワジー

そしてら相対するようにここにいてはならいないと
全身が主張しているピンク

私が其方を見たことに気づきニヤリと笑う2人

思わず目を見開いた

『クロ！？ドフィ！？何してんの！？』

ｶﾞﾀﾝ

ｶﾞﾁｬﾝ

「おいおい､いきなり立つんじゃねぇ。
相変わらず行儀がなってねぇなァ」

「久しぶりだなァAチャン」

そこにいたのは

紛うことなき"元"七武海のお金持ちコンビ