白ひげ長女は特攻隊長 IV【ONE PIECE】 (ページ36)

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185；予期せぬことは突然にページ36

『マルコ､昔の話しよう』

眼前に広がる海はやはり美しかった
夕焼け色に染まる､穏やかな海はこの島そのものだった

天竜人を見て思い出した､思い出すことを封じていた決して忘れてはいけない。かけがえのない記憶。

マルコと砂浜に座って何時間いや数分。
時間なんて分からないくらいに昔の話をした
私が小さい時の話。一人で島を渡っていた話。
白ひげでの生活の話。

ひとしきり話して笑って泣いたところで､マルコは話し出した

マ「手出せよい」

『ん？』

渡されたのは、シルバーの古くなったロケット
それは私の大切な大切な記憶の一部

『な、んでこれ、、』

マ「ある人に頼まれたんだよい」

それは『母が肌身離さず付けていたロケット』だった

マ「持ってたやつも空いたところを見た事ねぇって言ってたから壊れてると思うよい。まぁ治せそうなとこを探せばいい」

『、、ひっ、ぐ、、おか、ぁさ、ん』

ｶﾞﾁｬ

鳴り出したのは懐かしいメロディ
寝る時にお母さんがよく歌ってくれた子守唄
心まで温めるメロディはゆっくりと流れ、やがて止まった。

『小鳥の歌』

籠の中の雛がある日､籠を離れて冒険に行く話を歌にしたもの。今聞けばわかる、この歌は楽しいだけの子守唄ではない、雛が母を恋しがり母が背を押す。そんな歌だ

ﾊﾟｷ.....ｶﾞﾁｬ

「『あいた！！』」

曲がなり止むと突如開いたロケット。

中に映っていたのは『親子3人』

小さな赤子とお母さん。そして知らないおとこの人はきっと父なのだろう。こんなに優しく笑う母を初めて見た

『お母さん、、とおと、うさん？』

マ「.......まじかよい」

父は目に傷があり、にこやかに笑ったその顔は穏やかそのものだが母を包む腕や豪快な笑顔は『海賊』を連想させる。

『な、んで。助けてくれなかったの？』

ポロポロと泣き出す私をゆっくりと抱きしめたのはマルコだ。彼が居るだけでどうにか頑張れるのは気のせいではない

マ「.......A､オヤジさんに会いたいかよい」

『ｯｯ会えるの！？』

マ「Aが望むなら､今すぐにでも」

『.......ま、だ。まだいい、、や』

マ「ん、分かった。大丈夫だよい」

優しく背を撫でるマルコはずるい。
安心してしまう、父には会いたい。会いたいけどまだ、考えが纏まらない。

＿＿＿どうして助けてくれなかったの？

＿＿＿どうして島に私達を残していったの？

聞きたいことも咎めたいこともまだ多すぎる