白ひげ長女は特攻隊長 IV【ONE PIECE】

183；別れの予兆 ページ34

どうして､こんなにも気持ちは晴れやかで無いのだろう｡こんなにも､辛い｡
理由はもう分かってる､分かってるけどこの島を出るまで忘れなきゃ.....そう

＿＿＿クレアがこの島で凄く幸せそうなんだ


両親に囲まれ､島民に愛され､美しいドレスで怪我なんてひとつもせずににこにこと笑うクレア


『あんなクレア見たことないもんなぁ』


クレアの居場所は『あそこ』じゃなかった｡
やっぱり彼女はここに居るべき存在なのだろう｡
ここに居る彼女は輝いて生き生きしていて､なんというか幸せそうだ｡美しいブロンドが海風に痛むことも無い､あの美しい手が水仕事で荒れることもない､ましてや海賊や海軍との戦いで危険を知ることもない
明後日には『お別れ』だ


クレアだってそれなりに愛着を抱いてくれているはずだ｡だからこそ､笑って大好きな妹を見送るべきなのに､泣かない自信がない｡一緒に行こうと腕を引いてしまいそう


『海賊なら、奪う。ね』


奪ってしまえるものは『モノ』だけだ
人は感情は、奪えない｡


綺麗に引いたはずのルージュが酷く合わなく見えた。オヤジとマルコがくれた､というか部屋にプレゼントだと置いてあったドレス

先日破ってしまったのよりも、ほんの少しだけ濃ゆい青の、けれども透き通るような美しさを持つ。本当に不死鳥のような､マルコと一対であるかのようなドレスも､今は私には似合わない

『泣いてちゃ...だめだ、けどｯ｡かなし、いな』


ﾄﾝﾄﾝ

マ「A準備できたかよい」

『あ､待ってマル』


ｶﾞﾁｬ

マ「ったく何ないてんだよい」

『開けないでって言ったのに』

ぎゅぅっと抱きしめてくれるマルコ｡安心する､ぽかぽかする､だめだなあ。マルコといると弱くなる気がする


マ「どうしたんだよい」

『クレアと別れんの、やだ、』

マ「俺もやだよい」

『うん、やだ。寂しい』

マ「でも家族だ｡どこに居ても繋がってるよい」

『うん』

マ「笑って見送るよい、それにまだあと2日あんだろい？泣くのがはぇんだよい」

『だってぇ！』

マ「ほら､デート行くんだろい」

『うん､､行くけど､』

マ「目､真っ赤だよい」

『マルコ､私笑えるかなぁ』

マ「俺が笑わせてやるよい」

『、ひゃ！！ひゃ！、そ、れ、ちが！』

マ「元気出たかよい？」

『馬鹿マルコ、、きらい』

マ「俺は好きだよい」

『...好き』

マ「クク､アホだねい」



思い切り擽られたら､何だか笑えてきた｡そうだまだあと2日ある､別れまで涙は取っておこう

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