伝えたかった【まふまふ】 (ページ2)

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「なんで待ってって言っちゃったんだろ……」

あれから1週間。返事をするタイミングが見つからず、そのまま引きずったまま。返事をしようと思ってもどう返すべきか、とか色々考えちゃって。それにクラス違うから余り会えないし。

「ほんっと僕ってつくづく馬鹿だよね」

自嘲気味に笑って寝返りをうつ。そして全て忘れようと頭を振る。

「ダメだ、忘れられない……」

窓の方に目を向けると、普段と違って電気の付いていないAの部屋があった。嫌な予感がして、胸がザワザワする。今の時間は夜の10時半。普段なら彼女の部屋は電気が付いていて、机に向かってる所が見えるんだけど。不安に襲われ、僕は携帯を持ってリビングに向かった。

「A、どうしたんだろ」

そう零した瞬間、手に振動が走った。携帯が鳴ったんだ。ディスプレイを見ると画面には『Aママ』の文字が。焦って応答ボタンを押す。

「はいっ、もしもし」

『夜遅くにごめん！Aが事故で○○病院に運ばれて、来てくれる？』

「えっ…… はい、行きます！」

そこからの記憶はほとんどない。気がついたらAのお母さんとお父さんと、Aの病室にいた。

「ごめん、私たち色々やらなきゃいけないから、帰るね」

学校に提出する資料を書くらしい。僕は頷き、またAの方に体を戻す。

「僕も、また明日来るね」

病室のドアを静かに閉めて僕は退室した。