MEMORIA〜君の記憶〜弐 (ページ13)

今日:18 hit、昨日:12 hit、合計:4,629 hit

赤、死す？ページ13

記憶が戻ってはや数日……。

記憶が戻って初めてジンが私の家に来ていた。

『頼まれてた解析終わったわよ。』

ジ「ああ。」

ジンは、メモリーカードを受け取りいつものようにソファーでタバコを吸いながらお酒を飲む。

そんなジンにバーボンが用意しておいたおつまみを出す。

すると

ジ「……マティーニ、最近何かあったか？」

と仏頂面に聞いてきた。

こんな質問すること滅多にないのに……。

そんなことを思いながらジンの隣に座り

『最近？……ないと思うけど？』

といつも通り記憶力の悪い私を装う。

記憶が戻った挙句、記憶力も途端に改善されてきているなんて知られたら何があるか分からない。

絶対にジンには、バレないようにしないと！

私は、いつものように笑顔でジンを見つめた。

ジンは、しばらく私を見た後に

ジ「……気のせいだったか？」

と聞き取れないほど小さい声で呟いた。

ジンは、タバコを吸い終わり酒を飲み干すと私を抱き上げ膝に乗せた。

前の私だったらこんなことされて喜んだのだろうが……。

今は、上手く取り繕おうと必死だ。

動揺に気づかれないように

『ジン……。』

そっとジンの顔に手を伸ばし自分からキスをする。

少しでも早く終わらせたい。

そんな思いから自分から動いていく。

そうすれば

ジ「ふん。久しぶりに楽しませろ。」

と私を抱え寝室に向かうのだった。