MEMORIA〜君の記憶〜弐 (ページ12)

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バーボンは、現実なのかを確かめるように私を思いっきり抱きしめた。

そのせいで……

『くっ苦しい……。』

バ「はっ！す、すみません！」

私は、危うく窒息するところだった。

直ぐに離れたバーボンは、本当に私なのかを確かめるように

バ「本当にAなのか？」

と聞いてきた。

私は、笑って

『そうだよ。全部、思い出した。レイのことも……ヒロのことも……。』

そう言ってヒロのことを思い出して無意識に涙が流れた。

それをバーボンは、そっと拭い

バ「良かった……。本当に。」

と安堵した。

私は、そっとバーボンを抱きしめ

『心配かけてごめんね。もう大丈夫だから。』

と言い聞かせた。

その後、私たちはお互いの存在を確かめ合うように体を重ねた……。

翌朝……。

目を覚ますと見慣れたベッドの上だった。

ゆっくりと体を起こせば隣には、上半身裸のバーボンの姿があった。

クスッと笑い寒くないように布団をかけてその辺にあったバーボンのシャツを着て寝室を出る。

そして、シャワーを浴びてリビングに戻ればそこには朝食の準備をする上半身裸のバーボンの姿があった。

バ「あ！おはようございます。」

『クスッ……おはよう。あなたが料理しているの似合わないわね。』

そう言って先程借りていたシャツを彼に渡すと

バ「昨日の出来事が夢じゃなくて良かった。」

と私を抱きしめてきた。

私は、そっと抱き締め返し

『大丈夫よ。覚えてるわ。不思議と昨日のこともね。記憶を思い出したからかしら？』

と顔を下から見上げる。

バ「どういう理屈かは、分かりませんが……。その……体は大丈夫ですか？」

『ふふっ。そんなに心配しなくても少しダルいくらいで問題ないわ。無理をさせた自覚があったのね？』

私が昨日のことを思い出してそう聞けば、バーボンは

バ「す、すみませんでした……。」

と申し訳なさそうに言った。

そんなシュンっとしたバーボンの頭を撫でて

『いいわよ。それよりご飯食べましょう。』

と話を変えた。

そして、何気ない日常がスタートするのだった。