春に愛されて ② (ページ9)

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第56話ページ9

『ゲホゲホ！』

ハルに殴られたことでお昼に食べた物まで一緒に出てきた。

春「悪ぃ！けど、吐き出した方がいいんだ！吸収され切る前で良かった。すぐにこの場を離れるぞ。」

そう言って特服が汚れるのも構わず私を抱き上げ裏路地から出た。

すると、そこには

圭「口ほどにもねぇな？」

とその辺の奴らをノシたらしい圭ちゃんの姿があった。

『けいちゃん？』

私の声に気がついた圭ちゃんは、駆け寄り

圭「無事で良かった！お前がこっち走ってくの見たからまさかと思ったんだ！」

と自分が着ていた薄手の上着を私にかけてくれた。

『あ、りがとう……。』

春「礼は言わねぇ。」

ハルは、素っ気なく圭ちゃんの横を通り過ぎようとした。

そんなハルに圭ちゃんは

圭「礼なんていらねぇよ……。このことは、マイキーには黙っといてやる……。お前らも言うなよ？……Aのことちゃんと守れよ……。じゃあな。」

と言ってどこかに歩き出した。

そんな圭ちゃんをハルは、ちらっと目で見て

春「言われるまでもねぇ……。」

と聞き取れないほどの小さい声で呟いたのだった。