春に愛されて ② (ページ5)

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第52話ページ5

静かな路地裏に響く私の声……。

『なんで！なんで！私なのよ！私は、ハルと普通に』

春「普通がいいのかよ……。」

私の言葉を遮ってハルが言葉を発した。

春「オレみたいな不良じゃ、普通なんて無理だよな？別れるか？」

バチン

気がつけば私は、ハルにビンタをしていた。

『そんなに別れたいなら好きにすればいいじゃない！』

私は、踵を返して走り出した。

後ろからハルの声が聞こえるがそんなの知ったことでは無い。

ジンジン痛む右手を握りしめて、頬を伝う雫を見て見ぬふりをしてただ走り続けた。

どれくらい走っただろうか？

もう、どこをどう走って来たのか分からなかった……。

『……ここ、どこ？』

気がつけば、通ったことも無いような通りに出ていた。

辺りには、ガラの悪い人たちがチラホラいる。

明らかにタバコでは無いものを吸っている……。

私は、すぐに携帯を開こうとしたが

男1「こんなところでどうしたの？お嬢ちゃん。」

と急に腕を掴まれ

カシャン

携帯が落ちてしまった。

『は、離してください。』

その手を離そうと掴まれていない方の手で外そうとするが、当然外れるはずもなく

男2「ダメだよ。こっちの手は、オレ。」

と現れたもう一人の男にその手を掴まれてしまった。

ま、まずい！

私は、この状況に血の気が引いた。