春に愛されて ② (ページ39)

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第86話ページ39

クリスマスから少し過ぎ……。

『そっか……。それなら、しばらく会えないんだね……。』

私は、年末年始の帰省に向けて荷造りをしながら携帯でハルと話していた。

春〈悪ぃ……。どうしても今は、やらないといけねぇことがあるんだ……。ばあさんたちによろしくな……。〉

電話越しのハルの声は、どことなくいつもと違っていた。

何かきっと、大きいことが起こるんだ……。

それに巻き込まないようにするために私と距離を取ろうとしている。

私は、そっと首元にぶら下がる指輪をぎゅっと握りしめ

『……気にしないで。また、落ち着いたら話でも聞かせてよ。』

と無理に明るくそういえばハルは

春〈……可能ならしばらくは、ばあさんたちの所にいろ。学校からの距離も近い。可能な限り不要な外出は控えろ。〉

と間髪入れずに話し出した。

私は、それをしっかりと聞いていると

春〈……それから……。悪ぃけど……しばらくは、連絡取れねぇ……。〉

とワントーン下がった声で言われた。

それにあらから察しが着いた私は

『……わかったよ。待ってるから……。だから……ちゃんと帰ってきてね？』

と少し震える声でそういえばハルは、笑いながら言った。

春〈死ぬわけじゃねぇーよ！それじゃあな。〉

そんなハルに私は、少し元気が戻り

『うん。良いお年を！』

といって電話を切るのだった。

ハル……どうか無事でいて……。

ただただ、それだけを願うのだった。