春に愛されて ② (ページ35)

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第82話ページ35

ハルと一緒に迷子の女の子二人のお兄ちゃんを探すことになった。

ルナ「お兄ちゃんはね！お料理が上手なんだよ！」

マナ「お裁縫も！」

『そうなんだ！すごいね！』

春「……。」

私は、ルナちゃんとマナちゃんと手を繋いでハルは後ろから私たちの後を追って来ていた。

そして、ルナちゃんとマナちゃんの話を聞いているうちにある人物が頭をよぎっていた……。

私は、後ろを振り返り

『ね、ねぇ……もしかしてだけど……この子達のお兄ちゃんって“あの”三ツ谷かな？』

と小声で言えばハルは、軽くため息ついて

春「知らねぇで探してたのかよ……。」

と呆れられた……。

知ってたなら教えてくれるべきじゃない！？

っていうか

『ハルと一緒に居るこの状況は、まずいんじゃないの？』

と聞いてみた。

すると、ハルは

春「あいつは、隊長の中で一番まともだ。話をちゃんと聞いてくれる。」

と言ってくれたので私は安堵した。

そうして後ろを見ながら器用に歩いていると

ルナ「っあ！」

マナ「お兄ちゃん！！」

と私の手を離して駆け出す二人。

それに目を向ければ

三「ルナ！マナ！お前ら心配したんだぞ！？」

と色々入った買い物カゴ片手の三ツ谷が二人を抱きしめていた。

私たちは、そんな三ツ谷に近づき

『お兄ちゃん、見つかってよかったね！』

春「次は、はぐれんなよ。」

と言ってあげると二人は、元気に返事をした。

三ツ谷の視線が私たちを捉えると

三「……え！？」

と間抜けな声が出たのだった。