春に愛されて ② (ページ33)

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第80話ページ33

春千夜サイド

静かに呟いた言葉をAが聞き取ったのか分からないがAは、抱きついたままだった。

ふと、Aからキッチンのテーブルの上に目を向けた。

オレは、目を見開いた。

春「！……あれって……？」

オレが言葉を発するとAは、ハッとしたようにオレから離れて

『えへへ！いつもハルに助けられてるからお礼にと思って！』

とテーブルのそれを取りに行くA。

オレもそれに近づけば

『ジャーン！コ〇ジーコーナーのチーズケーキ！』

と箱を開けて中身を見せてくる。

それは、オレの好物だった。

全く……。

オレは、そっとAを抱き寄せた。

オレの彼女は、オレを喜ばせるのが本当に上手だ。

春「お礼を言うのはオレの方だ……。いつも、ありがとな。我慢させることも多いのに……オレのそばに居てくれてありがとな。……お前は、自慢したいくらいの彼女だよ。」

オレの言葉にAは、目をうるませながら

チュッ

とキスをして

『私にとってもハルは、自慢したいくらいの彼氏だよ！どれほど言ってしまいたいか！』

とにっこり笑った。

可愛い。

オレは、彼女を抱き抱えベッドに向かう。

『え！？ハ、ハル！？ケーキは？』

春「お前の後だな。」

当然、Aが気を失うまで美味しく頂いた。

ケーキは、Aが起きてから一緒に食うか。