春に愛されて ② (ページ29)

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第76話ページ29

ファミレスで抱きしめられたことで周りの視線が痛くなり、私たちは慌てて食事を終え店を後にした。

『あんまり味がしなかった……。』

万「そうか？美味かったけどな？」

マイキーは、あの視線に何も感じなかったようでケロッとしている……。

私がため息を着けばマイキーは、

万「悪ぃ……。」

と謝ってきた。

『なんで謝るの？』

万「いや……あんま乗り気じゃなかったよなと思って……。」

『ファミレスのこと？』

万「うん……。」

『そんなことないよ。ただ、周りの視線が痛くて疲れただけだから。』

私のため息がマイキーにそんなことを感じさせたようで笑って言えばマイキーは、すぐに普段通りに戻って

万「公園行こうぜ！」

と私の手を引いて走り出した。

その途中、ハルの姿を見かけたがハルは表情ひとつ変えなかった。

それに少し悲しく思いながらも私たちは、公園に着いた。

その公園は、小さい頃みんなでよく遊んだ場所だった。

『懐かしいな～。』

万「Aは、久しぶりか？オレは、先週も来たぞ！」

楽しそうにジャングルジムに登るマイキーを見上げて懐かしい日々を思い出す。

それと同時に圭ちゃんの死を思い出し、また涙が溢れ出す。

顔を覆い、肩を震わせ泣いているとそっとマイキーに抱きしめられた。

万「悪ぃ……。泣かせるつもりで連れてきた訳じゃねぇのに……。」

『うっぅぅぅぅ……マイキー……ヒック……謝ってばっかり……。』

万「悪ぃ……。」

『ほら……また……。』

万「……悪ぃ。」

私が泣き止むまでその会話は、続いた。