春に愛されて ② (ページ28)

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第75話ページ28

私たちは、近くのファミレスに入った。

マイキーはお子様ランチを……。

私は、レモンティーとプリンアラモードを注文した。

注文が届くとマイキーは、目をキラキラさせてお子様ランチを食べていく。

そんなマイキーにクスクスと自然と笑いがこぼれた。

すると、マイキーは食べていた手を止めて

万「Aのそんな穏やかな顔、久しぶりに見た……。」

と少し悲しそうな声で笑った。

それに私は、一瞬目を逸らしレモンティーを1口飲み

『……あの日からあなたが怖かった。』

と思い続けていたことを口にした。

マイキーは、目を伏せて黙って聞いている。

私は、深呼吸をして話を続けた。

『今でも怖いと思う……。でも……この前、圭ちゃんが亡くなって……。後悔した……。失って初めて気がついた。このままじゃダメだって……。だから、少しづつ昔みたいになれたらって……。自分勝手でごめんなさい……。』

私は、マイキーの顔を見るのが怖くて頭を下げたまましていた。

すると、マイキーが席から立ち上がった。

そして、気配で隣に立っていることが分かる。

な、何されるの！？

少し体を強ばらせていれば

ギュッ

と抱きしめられた。

『……え？』

万「謝るのは、オレの方だ……。怖がらせてごめん……。オレの我儘のせいでオレたちのいざこざに巻き込ませてごめん……。オレ……お前がずっと好きなんだ……。どれだけ嫌われても……そばにいて欲しいんだ……。声が聞きてぇんだ……。お前が大事なんだ……。お前まで居なくならないでくれ……。」

マイキーの言葉は、きっと心の叫びのようなもので……。

その言葉に私は、糸に絡め取られた感覚を覚えながらも

『居なくならないよ……。』

と答えてしまうのだった。