春に愛されて ② (ページ26)

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第73話ページ26

ドラケンに家まで送って貰えば、家の中では当然ハルが待っていた。

ハルは、帰ってきた時の私の表情が気になったらしく

春「ドラケンとなんかあったか？」

と聞かれた。

私は、ハルにドラケンから言われたことや自分が感じていることを話してみた。

すると、ハルは

春「それを決めるのは、A自身だ……。オレの傷のことでお前が距離を置くようになったことは、分かってる……。オレは、コレで良かったと思ってる……。お前がそれを引きずる必要はねぇんだ。」

と口元の傷跡を触りながら悲しそうに言った。

そんなハルに胸が締め付けられて

『私は！……私が距離を置きたいから置いてるの！だから……ハルがそんな顔しないでよ……。』

知らずに私は、泣いていた。

私の叫びを受け止めるかのように何も言わずにハルは、優しく抱きしめてくれた。

そのまま何も言わずに私が泣き止むまで、優しく背中を撫で続けてくれた。

そんなハルの優しさに私の心は、マイキーを許すことを考え始めるのだった……。

それがいつになるかは分からないけれど……。

そう考えれば、少しは圭ちゃんへの罪悪感が薄れた気がしたから……。