春に愛されて ② (ページ3)

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第50話ページ3

春千夜サイド

玄関の前までやってきたあいつらのせいで震え上がったA……。

そんなAを抱きしめてやっているといつの間にか規則正しい寝息が聞こえてきた。

春「……寝ちまったか。」

オレは、そんなAを抱えベッドに寝かせ顔にかかる髪を耳にかけてやった。

春「お前には、カタギで安全に居てもらいてぇのに……。オレもマイキーもお前を手放せねぇんだよな……。」

眉を寄せて眠るAを優しく撫でながら独り言を続けた。

春「オレらのせいでお前にこんな思いさせちまって……。」

そうして、頭をしばらく撫で続けていれば

『ハルは、悪くないよ。』

とうっすらと目を開けたAがオレを見て微笑んでいた。

春「A……？」

『私は……ハルのそばにいられれば……それだけでいいから。』

それだけ言ってAは、また眠りについた。

寝ぼけただけか……？

オレは、そっとベッドから離れて電話をかける。

もちろん、あの人だ。

ム《オレだ。》

春「お疲れ様です、隊長。少々厄介なことになりまして……。」

オレは、隊長に先程のことをありのまま伝えた。

そうすれば隊長は

ム《わかった。隊員を数名待機させる。お前は、そのまま桜木Aのそばを離れるな。また、何かあれば連絡しろ。》

と言って電話を切った。

春「ありがとうございます……隊長。」

携帯の画面を見ながら、オレらしくもなく心からの言葉が漏れたのだった。