春に愛されて ② (ページ18)

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第65話ページ18

時は、流れ早くも10月。

最近、少し肌寒さを感じ始めた今日この頃。

『あっ！』

圭「あ？」

『久しぶりだね……圭ちゃん。』

圭「ああ……。」

街でばったり圭ちゃんに会った……。

『……その服何？』

私は今、圭ちゃんが着ている白いジャケットを指さした。

それに視線を逸らし

圭「オレは、もう東卍じゃねぇんだ。気安く話しかけんな。」

と立ち去ろうとした。

そんな、圭ちゃんの後ろ姿に私は必死に手を伸ばし

グイッ

『待って圭ちゃん！』

と圭ちゃんの腕を引いた。

すると、

虎「あれ？場地……とA？」

目の前の店から出てきたのは場地と同じジャケットを着た一虎だった。

『一虎……。なんで？』

少年院に入ってたはずなのに！？

圭「もう出てんだよ。」

驚く私をよそに一虎は、

虎「なになに？場地、告リでもしたの？」

と場地をにやけ顔で見る。

そんな一虎にため息混じりに

圭「はぁ……ちげぇよ。東卍抜けたって伝えただけだ。もういいだろ。離せ。」

と私の腕を強引に引き剥がした。

今まで圭ちゃんにこんなことされたことがなかった私は、驚きを隠せなかった。

そんな私を見た一虎は、笑いながら

虎「もうすぐ、オレらが東卍を潰す！お前を守ってくれてる後ろ盾が無くなるんだ！楽しみだよな？」

と言い残し場地と共に去っていった。

な、なんなの？

圭ちゃんが東京卍會を抜けた？

創設した本人なのに？

それに一虎が出所してる……。

それに……東京卍會を潰すって？

一体どういうことなの……？

グルグルとそんなことが頭の中を埋めつくし、なにも考えられなくなるのだった。