春に愛されて

第45話 ページ47

ピアスを買った私たちは、昼食のために喫茶店に来ていた。

『何食べる？』

春「……。」

メニューを見ながらハルに声をかければハルは、窓の外を見て居て返答しなかった。

『……ハル？』

春「！ああ……悪い。先頼んでろ。」

『え？は、ハル！？』

そう言い残したハルは、険しい顔で喫茶店から出ていってしまった。

一体、どうしたっていうの？

私は、よく分からないままランチプレートを頼みひとり寂しく食事をした。

食事中にハルが戻ってくることはなく、私は食後のプリンアラモードとアイスカフェラテを堪能していた。

それがもう時期、底をつきそうになった頃にようやくハルが戻ってきた。

『おかえり……。』

春「おお……。」

ハルの姿は、怪我こそしていないが砂埃や所々に返り血があった。

『……喧嘩してきたの？』

私がそう聞けばハルは、目の前に座りながら

春「お前のことつけてる奴がいたからな。」

と表情一つ変えないハル。

わかっている。

それがハルにとっての日常で私を守るためなのも……。

でも……。

『……それなら、出ていく時に一言くらい言って。一人残されるのは……好きじゃないから。』

春「悪かった……。泣くな。」

ハルは、そう言って知らずに流れていた涙を拭ってくれるのだった。

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