春に愛されて (ページ29)

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第27話ページ29

あれから数日後のこと……。

今日もハル、来ないんだろうな……。

そんなことを思いながらスーパーで買い物をして家に帰りつくと

春「遅かったな。」

と家には、あの日以来久しぶりに会うハルの姿があった。

ドサッ

私は、買い物袋が落ちたことも気にせず

『ハル！』

ハルに駆け寄り抱きついた。

春「うぉっ！」

私の勢いに何とか耐えたハルは、私を抱きしめて

春「ただいま。」

と言ってくれた。

『ハル！ハル！』

私は、その存在を確かめるようにハルの名前を呼び続けた。

しばらくして、ようやく落ち着きを取り戻した私は買い物袋の中身を冷蔵庫に閉まってハルと色んな話をした。

どうやら、愛美愛主の件は片付いたらしい。

詳しいことは、私を関わらせない為に教えてはくれなかった……。

だが、嬉しいことにお祭りの日が空いたことになる。

すかさず私は、目をキラキラさせて

『お祭り行こうよ！』

とハルを誘った。

ハルは、少し考えて

春「マイキーが……」

と言いかけたが私の表情を見て観念したらしく

春「……分かったよ。行くか？」

と決めてくれた。

私は、嬉しくなってその場で飛び跳ねると

パシっ

と腕を掴まれその腕をまじまじと見られた。

『な、なに！？』

ハルの急な行動に驚いていると

春「はぁー……良かった。この前の跡は、もう無くなってんな。」

と安堵の声を漏らした。

それに私は、

そういえばこの腕だった……。

なんて呑気なことを考えていた。

私は、直ぐにハルの顔を両手で包み込んで

『この前は、ありがとうね。湿布の絵も嬉しかった。』

と笑顔でそういうとハルは、いつもの優しい顔で

春「お前が喜ぶならなんでもしてやるよ。明日、約束してた本屋行こうな！」

とそっとキスをしてくれる。

ハルは、本当に優しい人だ。

私の欲しい言葉、欲しい物、欲しい行動をいつもくれる。

だから、私はハルがたまらなく好きだ。