春に愛されて (ページ26)

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第24話ページ26

春千夜サイド

いつものように集会の為、武蔵神社に行き隊長と話しているとふと視界に入ったAに目がいってしまう。

まさか、またマイキーに連れてこられたのか？

そう思いながらそちらを向けば、色白の腕にくっきりとある手の跡に膝を盛大に擦りむき血を流していた。

！

ギュッ

何かあったことは、一瞬でわかった。

オレは、苛立ちから思いっきり手を握りしめる。

そして、直ぐにでも駆け寄りたい気持ちを堪えながら呼びかけられた隊長に答えるのだった。

そうやって我慢して何とか集会が終わった。

隊長と話を終えて、見送った後直ぐにAに電話をかけた。

早く出ろ！

そんな流行る気持ちを我慢しながら数コール待つと

〈も、もしもし！〉

と鼻声気味のAの声が聞こえてきた。

電話に出たことに安堵しながら

春「よぉ……。やっぱり泣いてやがったな？」

と聞いてみれば

〈な、泣いてない！〉

と下手な嘘をつくA。

馬鹿だな……。

春「嘘つけ！鼻声なの丸わかりなんだよ！」

そうやって強めに言うと観念したように

〈……嘘。泣いてた……。〉

と自白した。

やっぱり……。

春「悪ぃ……。直ぐに行ってやりたいのに……。」

そばに居てやりてぇのに……。

Aにもしもがあればと思うと行けなかった……。

〈気にしないで！声が聞けただけですごく落ち着くから！〉

頑張って明るく振る舞おうとしてんな……。

無理しなくていいのに……ったく。

オレは、一泊置いて

春「そうか……。お前、今日怪我してたよな？何があった？」

と一番気になっていたことを聞いた。

すると、Aは震える声で話し始めるのだった。