似てない双子 2 (ページ46)

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第９３話ページ46

三ツ谷の手は、堅兄の手よりも小さかったが当然ながら私よりも大きく暖かくゴツゴツしていた。

不安や恐怖よりも三ツ谷とのこの距離感から来るドキドキの方が優り私の呼吸はいつの間にか楽になっていた。

三「ドラケンに電話するけどいいか？」

『うん。さっきの感じからして外、凄い雨だろうから花火大会中止だろうね。』

三「そうかもな。」

そう言って三ツ谷は、堅兄に電話をかけ始めた。

三「あ！ドラケン？」

微かに聞こえてくる堅兄の声。

私の心配をしてくれてるようだ。

三「ああ。こっち雷落ちて停電したんだわ。その時ちょっと過呼吸出たけど今、落ち着いてるっぽい。」

それを聞いた堅兄は、安堵したのか声色が落ち着いたのが微かにわかった。

三「だろうな。オレ、大丈夫だからエマ送ってやれよ。」

堅兄は、雨がすごくてすぐには帰れないのかな？

そう思っていると携帯を差し出された。

三「ドラケンが声聞かせろって。」

私は、それを受け取り耳に当てた。

『もしもし、堅兄。』

堅《良かったー。大丈夫そうだな。》

『うん。雨やんでからでもいいから、ちゃんとエマ送ってあげて。私は、三ツ谷がいるから大丈夫だよ？』

堅《無理してねぇんだな？》

『無理してないよ。ショック療法って言うのかな？何とかなってるから大丈夫。』

堅《そうか。なら、遅くなるかもしれねぇが三ツ谷に頼むって言っといてくれ。》

『わかった。』

私が返事をすると堅兄は、電話を切った。

三ツ谷に携帯を返し

『堅兄が遅くなるかもしれないって三ツ谷に頼んだって言ってたよ。』

と言うと三ツ谷は

三「任せろ。」

と笑った。

暗い部屋なのに三ツ谷の笑顔は、明るく見えた。