第62話 ページ15
堅サイド
ようやく、オレとAが落ち着いたことを確認した先生は話を再開した。
先「今見ていただいた写真は、昨日の写真……。見てわかるように手首は、擦り傷なので直ぐに治るわ。でも……火傷は、後が残り右肩は、治っても今まで通りものを投げたり重いものを持ったりすることは厳しいと思うわ……。そして……昨日の暴行による精神的ダメージ……。Aちゃん、男の人が怖くなってしまったみたい。今朝、掃除で入った業者の方に怯えていたそうなの。これは、一生付きまとっていくかもしれないわ。」
オレは、先生の話を聞いて殴られたような衝撃だった。
火傷の話は、三ツ谷から聞いて覚悟はしていた。
だが、右肩のことは知らなかった。
昨日のことでトラウマまで……。
オレは、自分の妹すら守れてねぇ!
オレは、知らずに手に力が入っており
『け、堅兄!痛い!』
とAに言われて力を弛めた。
先「火傷に関しては、私ができる限りの事はやります。精神的なものに関しては、私の知り合いの先生をカウンセラーとして入院中にあってみるのはどうかな?もちろん、本人が嫌だと思ったり辞めたいと思ったら無理する必要はないから一度会ってみない?」
オレは、先生の言葉に返事をしそうになったが……。
『いやです!』
Aは、キッパリと断った。
堅「どうしてだ?」
『私は、堅兄さえいてくれればなんとでもなるもん!』
堅「だが、オレだってずっとはついててやれないんだぞ?Aが怖がってるもの取り除いてもらえるかもしれないなら、そっちの方がオマエのためにもなるんだ。分かるだろ?」
『それでもいや!』
Aの反応を見た先生が
先「お兄さん、無理をさせる必要は無いわ。Aちゃんにとってお兄さんといる事の方が落ち着けるのならお兄さんと一緒に少しづつ乗り越えることを頑張っていきましょう!」
とAに微笑んだ。
Aは、それに納得したようで
『堅兄は、いや?』
と聞いてきた。
オレは、元からAの為になるならなんだってするつもりだったので
堅「嫌なわけが無いだろ?少しづつ頑張ろうな!」
と笑ってやるのだった。
これから地道な道のりになろうとも……。
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作者名:ミニオン | 作成日時:2023年4月18日 15時