第59話 ページ12
私は、堅兄の腕の中で思いっきり泣いた。
泣き止む頃には、堅兄の服はびっしょりだった。
『堅兄……服……ごめんなさい……。』
堅「いいって。目の下のクマが凄いな……。眠れなかったか?」
『うぅぅ……怖かった。』
堅「そうだよな。怖かったよな。オレがもっと早くついてれば!ごめん!」
『堅兄は、悪くないよ!だから、謝らないで!』
堅「A。」
堅兄は、私を抱きしめてまた頭を撫でた。
それに落ち着いていると
看1「あ、あの〜。……本当にご兄妹ですか?」
と離れたところで見ている看護師が私たちの仲に驚いていた。
堅「あぁ、すみません!いつもこんな感じで!それより、A!処置の時間だとよ。オレは、待合室で待ってるから看護師さん終わったら声掛けてくれますか?」
看1「は、はい。分かりました。」
堅兄は、私を抱えてベッドに下ろして出ていこうとした。
『いや!行かないで!』
私は、堅兄の服をつかみ止めた。
堅「オマエな処置の邪魔になるし、さすがに妹の裸を見る趣味はねぇんだ!」
堅兄は、少し恥ずかしそうにいった。
それでも
『いや!お願いだからそばに居て!どこにも行かないで!』
私は駄々をこねた。
それを見兼ねた看護師が
看1「Aちゃん、お兄さん帰ったりしないから処置の間だけ頑張りましょう!」
となだめようとするが
『いや!いやなの!』
それでも私は、堅兄の服を離さなかった。
すると
先「いいんじゃない?カーテンもあるから手を繋いでいてもらいましょう。」
と部屋の入口に日高先生がいた。
看1「先生……。」
先「いいよ。お兄さんもそれでいいですか?」
堅「……それならいいですけど……。」
私は、先生と堅兄の言葉に喜んだ。
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作者名:ミニオン | 作成日時:2023年4月18日 15時