似てない双子 2 (ページ29)

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第７６話ページ29

あの日の話を始めてしばらくして

『それで……』

私の声は震え始めた。

警1｢無理はしないで、ゆっくりでいいから。｣

『……はい。』

私は、その先を言おうと必死に口を開くが体の震えまで始まり上手く言葉が出てこない。

堅｢A！大丈夫か！？｣

堅兄は、私の背中をそっとさすってくれる。

『それで……ハァハァ……ヒューヒュー』

必死に言おうとすると呼吸までおかしくなってきた。

堅｢もういい！もうやめろ！｣

先｢ここまでにしてください！｣

堅兄と先生が警察と私の前に入り中断された。

先｢Aちゃん！ゆっくり呼吸して！大丈夫だからね！｣

堅｢A！大丈夫だ！ここには、怖いものなんて無い！大丈夫だ！｣

先生と堅兄の必死の介護により私は、何とか普通の呼吸に戻った。

先｢彼女からこれ以上は、聞かないでください！今の彼女ではこれ以上話すことは出来ません。｣

警察の方は、もう少しでも事件について当事者から聞きたい様子だったが先生から強く言われたことでしぶしぶという感じで終わりとなった。

警1｢もし、話せそうになったら署の方までご連絡下さい。今の話で何となく彼らに罪を償わせられるとは思いますが……一番大事な火傷の時の状況が聞けていないので罪が軽くなることも有り得るので……。｣

それだけ言い残して警察の方は出ていった。

私は、堅兄に抱きつき

『アイツら、すぐに戻ってくるの！？』

とまた体が震え出した。

堅兄は、私を優しく抱きしめて

堅｢大丈夫だ！大丈夫だからな！｣

と何度も言い続けてくれた。

堅兄もわかってるのだろう。

例え少年院に入ったとしてもそう長くは入っていないはず……。

いつかまた、報復に来るかもしれない……。

その恐怖が警察の一言で植え付けられたのだった。