第131話 ページ36
マイキーサイド
階段を上がっていってるとAの歌声が聞こえてきた。
『暗いこの世界に〜 私はひとり〜
何も感じない心を抱え〜 さまよい歩き出す〜
光を見ては〜 眩しすぎて逃げ惑う〜
私はマリオネット〜
色の消えた世界に〜 私はひとり〜
温もり探し〜 さまよい歩く〜
錆び付いた世界の果まで〜
いつしか崩れ眠る〜』
階段を登り切るとちょうど歌い終えたA……。
万「昔……兄貴が歌声褒めてたな。……歌声綺麗なのに……オマエが歌う歌は、とても悲しい……。」
オレの声が聞こえてるのかオレをまっすぐ見てくる。
その目は、虚ろで何も写していなかった。
『ねぇ……真一郎の声聞こえないの……。もう、褒めてくれないの……。場地が……一人じゃないって言ってくれないの……。』
オレは、そっとAを抱きしめ
万「オレが褒めてやる。オレがオマエを一人にしない。だから……自分を切り離すな。」
オレがそう言えば、ゆっくりとオレの目を見て
『……マイキーが言うなら信じる。』
そう言って唇を重ね合わせた。
Aの体は冷えきっていた。
そんなAに羽織っていた上着を着せてあっためるのだった。
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作者名:ミニオン | 作成日時:2021年10月10日 18時