第117話 〜喪失と失踪〜 ページ22
芭流覇羅との抗争が終わり私たちは、場地の葬儀に来ていた。
大声を上げて泣きすぎたせいで涙もほぼ出ず、声もガラガラだった。
ぽっかりと空いてしまった心の穴……。
私は、抜け殻のようだった。
そんな私の手をずっと離さずマイキーは、隣にいてくれた。
場地の葬儀を終え家に帰る。
私は、なにもやる気が起こらず部屋のベッドでずっと写真を眺めていた。
顔にアザが出来ている場地と一虎……。
みんなで夏祭りにいた時に射的をしている場地とマイキー……。
初めてバイクに乗せてもらった時の誇らしげな場地……。
集会後に千冬とペヤングを食べる場地……。
ガリ勉スタイルの場地……。
場地いつもこんな顔してたな……。
アルバムの中の場地は、とても楽しげで……。
出なくなっていた涙がまた流れた。
ああ……。
場地までいなくなってしまった……。
『こんなに……苦し……なら……ココロなんて……要ら……ない……のに……。』
真一郎がくれた心……。
灰谷兄弟が治してくれた心……。
みんなが守って来てくれた心……。
ダメだ……。
こんな感情を持ってたら……。
私は、薬に手を伸ばす。
この薬……沢山飲んだら心は消えるのかな?
そんなことを考えながらいつもの量を飲んで落ち着こうとするのだった。
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作者名:ミニオン | 作成日時:2021年10月10日 18時