第107話 ページ12
武道サイド
ドッ、ドッ
一虎君を殴り続けるマイキー君。
『離せ!』
低い声で抑えている三ツ谷君から逃れようともがくAちゃん。
もう……これは、オレのいた未来に向かっちまってる……。
マイキー君……。
オレは……オレは……。
武「なんて、無力なんだっ!!!」
悔しさに涙が溢れた。
すると、
場「マイキィィ!!A!!」
その声にみんながそちらを見る。
さっきまで倒れていた場地君がヨロヨロと立ち上がった。
場「オレの為に……怒ってくれて……ありがとうな。オレのせいで……辛いことさせちまって……悪いな。」
武「場地君っ!!?」
千「動いちゃダメだ場地さん!!!」
場地君!?
生きてる……でも。
ゆっくりと歩きながらマイキー君と一虎君の元へ行く場地君。
その体からは、ボタボタと血が流れている。
堅「場地……。」
三「血が……。」
『場……地……。』
Aちゃんは、目に光が微かに戻り入れていた力を抜いた。
それを見て三ツ谷君は、拘束を解いた。
場「オレは、死なねーよ。こんな傷じゃあ、オレは死なねー!!!」
……嘘だ。
絶対、致命傷なハズだ。
場地 「気にすんなよ、一虎。」
場地君は、ポケットから折りたたみナイフを取り出し両手で高々とそれを掲げ
場「オレは……」
その瞬間場地君は、深々と自分のお腹にナイフを突き立てた。
場「一虎には、殺られねぇ。」
『……場地ー!!』
Aちゃんの叫びにも似た声が響き渡るのだった。
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作者名:ミニオン | 作成日時:2021年10月10日 18時