しとど晴天大迷惑。 (ページ9)

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ルフィにはもうすでに2年以上片想いしていた。
この2年間でルフィとの思い出は、''仲間''目線で見ると楽しいものしかなかった。

今の自分や環境、仲間があるのはルフィ等のお陰だ。

だけど''恋愛''目線で過去を見返すと、決して良い記憶ばかりではない。

ルフィはずっと、''仲間''のことしか頭がない。

もちろん私のことも大事にしてくれていたけれど、そんな対象には微塵も見ていないのだ。

彼は恋愛そのものに、興味がなかった。

言ってしまえば、ルフィを好きでいると傷ついてばかりだった。勝手にだけど。

ゾロ「...告っちまえよ」

『っひっく...ぐすっ.....、やだ...』

ゾロ「.......いいのか？これ以上傷ついても」

ゾロは約2年も私の恋愛相談に乗っている。

私の気持ちはゾロと自分しか知らないから。

ゾロは優しかった。

『もうあきらめる....』

ゾロ「それ言うの何回目だよ」

『...』

ゾロ「そう言ってやっぱりまだ好きで期待して...何回繰り返してんだよ」

『.........しらない』

ゾロに痛いところを突かれ、キッと睨んだ。するとゾロは私の頬をぎゅっと掴み、涙を手で拭いてくれた。

『...いひゃい、はらひて』

ゾロ「は、変な顔」

『っ最低！ゾロやだ...』

ふと目に入ったのは、緑色のミサンガ。

『ゾロはミサンガ付けててくれてるの？』

ゾロ「...まあ、くれたモンだし大事にするだろ」

『へへ...うれしい』

ゾロもルフィと同じく、腕や首に飾りを付けるのは苦手だ。なのにつけていてくれるのは本当に嬉しいと感じる。

『ねえ、ゾロ』

ゾロ「ん」

『ミサンガに願い事をして、いずれ切れた時その願いが叶うんだって』

ゾロ「そんなの迷信だろ」

『やってみて！』

ゾロはなんともいえない顔をしてから、ミサンガをじっと見つめ何か願い事をしているようだった。

『なにお願いしたの？』

ゾロ「ンなモンしてねぇ」

『嘘だ』

ゾロ「......言わねぇ」

『え、ゾロまさか好きな人いるとか！？』

ゾロ「違ぇよ！世界一の大剣豪になれるようにって...」

『なにそれ、かわいー』

うるせぇよと言わんばかりに顔を顰める。

涙も引いて来たしそろそろ戻ろうかな。
今日はルフィとはもう話したくないな..

『私真っ直ぐ自分の部屋に行くね』

ゾロ「部屋まで送る」

『？いいよそこまでしなくても』

ゾロ「...ほら行くぞ」

『ありがとう』

ゾロなりの気遣いなのだろうと考え、受け止める事にした。