しとど晴天大迷惑。 (ページ3)

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ルフィ「サンジィ！！飯！」

サンジ「おー、そこ座って待ってろ」

ルフィ「A、ここ座れ！」

ポンポンっと、自分の隣にある椅子を叩いてそう言った。

『ありがとう』

サンジ「最近暑くなってきたら水分取れよ」

ルフィ「おう！！」

ナミ「あ、ゾロ、そこにある本とってくれない？」

ゾロ「ん」

毎日同じ船で過ごしている仲間たちは、まるで家族だった。

私にはたった1人のおじいちゃんしか家族が居なかったから、こんな空間にいると心が満たされる。

私にとって、みんなでご飯を食べるのは楽しみの一つ。

ナミ「ちょっとアンタねぇ！！もうちょっと遠慮して食べられないのかしら？」

ルフィ「ひははへーはほ！！」

ゾロ「何言ってっかわかんねぇよ！」

もう何年も見ているはずなのに、いつになってもこの会話は面白おかしい。

『ふふっ』

ルフィ「ん、A笑った！！」

小さく誰にも聞こえないような声で笑ったはずなのに、ルフィは反応した。

名前を呼ばれると、胸がなんとも言えない感覚になる。

キュッと締め付けられたような、触られたような感覚だ。

そのあともずっと頭の中で胸の鼓動が鳴り響いている。

サンジ「レディ、食後のスイーツはいかがですか？」

『いいの？...ありがとうサンジ！』

サンジは、人生で初めて私を女の子扱いしてくれた人だった。

料理の腕前は本物だし、人への気遣いも忘れない。

ナミ「A！明日島で買い物するじゃない？それロビンと一緒に行こ！！」

『うん！楽しみ』

ナミとロビンは私が船に乗った当時から、妹のように接してくれる。

でも、こんな素敵な仲間達の中で私の気持ちを知っている人はいなかった。

ルフィが好きだって事は誰にも言っていないのだ。

ゾロを除いて。

‌︎ ︎ ︎ ︎

ゾロ「おい、あっちでトランプやってるけど来ねぇのか」

『今日はそんな気分じゃない』

ゾロ「明日島でナミ達と行動しちまっていいのか？お前ルフィと行動したいって言ってたろ」

『やっぱいい...』

ゾロ「........お前なぁ」

自分が

私が奥手なことくらい私が1番わかってる。

口ではなんでも言えちゃうのに

頭の中ではなんでもできちゃうのに

いざルフィの前となると動けなくなってしまうのだ。

どうか、バレませんように。

この関係を崩したくないから。