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2人が居なくなった途端、会話が無くなって
しん...と静まり返る。
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周りの会話だけが響いて、
私からしたらえらい気まづい。
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ちらっと彼を見ると
相手は何ら気にしていなくて、
歳上の私ばっかり気するのも何かな...
と背もたれに深く腰かけようとすれば
相手も同じような動きをした。
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目黒「急にご飯参加しちゃってすみません」
「全然大丈夫よ」
目黒「でも、ほんと仲良さそうでうらやましいです」
「目黒くんだってこれからじゃない」
目黒「仲良くなれますか？」
「なれるんじゃない？」
目黒「疑問形なんですね(笑)」
「ほら、花菜とか距離詰めやすいよ。
翔太だって話しやすいし
深澤先輩だっていざとなったら頼れるし」
目黒「...A先輩は？」
「...私はとくにないかな？」
目黒「俺がとくに仲良くなりたいのはA先輩なんですけど」
「だからそれどういう...」
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ｶｼｬﾝ
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テーブルの端っこに寄せていた
私のスマホが落ちた。
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ちょうど彼と、私の、真ん中。
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あ、と咄嗟に手を伸ばすと
相手のほうがほんの数秒早くて
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私の髪の毛が少しだけ
彼の鼻に
ふわっと重なった。
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「っわ、ごめん」
目黒「いや、俺こそ」
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「スマホありがとう」
目黒「可愛いケース。あんまり落としたら割れちゃいますよ」
「あー...うん。気を付ける」
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そういう言葉をさらっと挟まれると
ちょっと調子が狂う。
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目黒「なにか付けてるんですか？」
「っえ？」
目黒「髪の毛」
「っあごめん臭かった？」
目黒「いや、違くて、俺の好きな香りだなって」
「...」
目黒「...あの、すみません」
「...なに？」
目黒「かわいいですね」
「っは！？」
目黒「照れてますよね」
「照れてないよ！」
目黒「照れてますよ」
「だって目黒くんそういうの多いから...！」
目黒「え？」
「えぇ...？無意識なわけ？」
目黒「ふはっ(笑)」
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うわぁ...
なに...
犬みたいな顔で笑っちゃってさ
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免疫無いアラサーを弄ぶんじゃないわよ...
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作者名：yuri | 作成日時：2022年8月4日 1時
