心配 ページ18
杏寿郎side
・
俺は急いでAを屋敷に連れ帰った。もう心配のあまりおかしくなりそうで、布団に寝かせたAの上に覆いかぶさった。彼女が小さく悲鳴をあげる。
「どうしてそんなに危ないことばかりするのだ！Aにこれ以上傷ついて欲しくない！危険なことは全て俺に任せておけば良いだろう！」
俺は勢い良く言った。それを聞いたAは驚いた顔をするとすぐ両手で顔を隠してすすり泣きながら言った。
「...師範に全部任せたくなんかないです..私は師範の役に立ちたい..師範のことを助けたいんです...でも全部空回りして何も出来なくて...」
...やはり傷付けてしまった。わかっていたのに言ってしまうとは..穴があったら入りたい！
俺は体を起こし、横になっているAの横に座った。
「全部任せたくないとは言えどもうAの脚は「分かってます！！」」彼女は俺の言葉を遮る。
「もう鬼殺隊に戻れないとか走れないとか言われても私はまだ諦めたくないんです！戦っていたいんです！」
"諦めたくない"その言葉は俺の心を燃やした。...俺は師範なのに継子の限界を勝手に決めて諦めてしまっていた。俺がAを信じなくてどうする！
「Aの気持ちはよく分かった！今回の怪我が治ったら俺が直々にまた指導をしよう。変なことを言ってすまなかった」
そういうと彼女は泣いて赤くなった目を一瞬見開いて驚いた顔をするとまた涙を流した。
「なぜ泣くのだ！また変なことを言ってしまったか」
「いえ、嬉しくて..ごめんなさい...」
そんなやりとりをしていると部屋の戸が開いた。
「煉獄さん？もしかして泣かせたんですか？」
先程呼んでおいた胡蝶が来てくれたようだ。随分頃合いが悪いが...
「泣かせたが泣かせていない！」
「何を言ってるんですか？..とりあえずAさんの具合を見るので部屋を出て貰えますか？」
俺は心配だから側にいたいと言ったが結局追い出されてしまった。
しばらくして部屋から出てきた胡蝶によるとAはすぐに良くなるそうだ。
この一件のお陰でAを必ず走れるようにする。そう決心することができた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 91人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：野田 | 作成日時：2020年1月23日 21時
