俺が ページ17
杏寿郎side
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Aは今日も悪夢を見るのだろうか、彼女のことが心配で仕方がない。だがそうは言ってもずっとAを見ていられる訳はなく、後ろ髪を引かれる思いで任務へ向かった。
今晩はお館様の屋敷と近いせいもあってか不死川と一緒らしい。
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__大体巡回が終わった頃に不死川がAのことを話し出した。
復帰はもう難しいんだろと彼は言う。だが俺はAが毎日刀を磨いて何時でも任務へ向かえるように準備しているのを知っていたため複雑な気持ちになった。
正直俺は復帰をすることよりも早く無限列車でのことを気にしなくなってほしい。明るいAに戻って欲しい。そう思っていた。復帰など出来なくとも俺が必ず命に変えても守ってやるから心配するなと言ってやりたいがそんなことを言えば今のAは傷付いてしまうだろう。
...そんな話をしていると背後から鬼の気配がした。
刀を構え首を落とそうとしたものの、何故かそこにはAがいて鬼の首は既に落ちていた。
なんでAがここにいるのだろう?こんな危ないことばかりするのなら閉じ込めておいたほうがいいのではないか?...そんな考えまで浮かぶほどに心配になり不安がこみ上げ、急いで彼女に駆け寄る。
"ごめんなさいすぐ帰りますから、" そう申し訳なさそうに言うAの口から血が流れているのを見た時は頭の中の何かがぷっつりと切れたような音がした。
俺はそのまま何も話さずにAを抱えあげ、屋敷に戻った。
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作者名:野田 | 作成日時:2020年1月23日 21時