Dear person 〜 Still now... (ページ9)

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9 〜JK side〜ページ9

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『会わせて…やりたかったな』

マスターの声が震えてる

言いたいことはたくさんあるはずなのに
俺は俯いてブンブンと首を振るしかできなくて

『来てくれて
　ありがとな』

外で車が停まる音が聞こえて

鼻をすすって大きく息を吐く

『来て、良かったです。
元気でいるって分かっただけで…また頑張れます』

ぐしゃぐしゃの顔でそう言うのが精一杯だ

じゃあこれで、とコーヒーを手に席を立つ

『あ、ジョングクくん』

急に呼ばれた名前に驚いて顔を上げれば

マスターはしばらく俺をじっと見つめて

ちょっと待って

と引き留めて、下を向いて何やら書いている

『はいよ。これは君にあげる事にしよう。
最近物忘れのひどいおじさんが、うっかり忘れないように裏に彼女の新しい携帯番号をメモっておいた写真です。
もう君のものだから、あとはどうしようと君の勝手ね』

ご丁寧な説明と一緒に手渡された一枚の写真

『でももしまた辛い思いするなら…もし君が少しでも迷うなら、連絡はしない方がいいな』

いつもニコニコのマスターは
今まで見たことないような真剣な顔で

だけど

怒られるかな、最後にして最大のおせっかいだな

って笑った

ー

移動の車に揺られて

もう一度ちゃんと眺めてみる

そこは机と椅子が並んだ教室のような場所で

あたりまえだけど

Aはちょっと先生っぽい格好をしてて

それぞれポーズを決めながら彼女にピッタリくっついている女の子達と一緒に

Aは困ったように

でも楽しそうに笑ってた

ゆっくりと裏返す写真

番号、変わったんだ…

何も報告がなかったってことは

それは彼女が
もう俺とは連絡を取らないつもりだったってことなのか

それとももう俺の連絡先なんか消しちゃってたか…

どっちにしろいい答えじゃないのは確かだ

分かるはずもない彼女の気持ちを延々と考えながら

【迷うなら連絡はしない方がいい】

マスターの言葉が繰り返し頭をよぎる

それでもやっぱりここへ来てよかったと思うのは
君と繋いだ糸がまだ切れずにいてくれたからで

だけどいつだって悪戯に

神様は運命の歯車を回すんだ

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