Dear person 〜 Still now... (ページ8)

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8 〜JK side〜ページ8

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ここには、居ない

その意味を考える

休みなんじゃなくて、居ない？
もう働いてないってこと？

含みを持ったその言葉に
なにをどう聞けばいいのか分からず黙る俺に
マスターはゆっくり話し始めた

日本で仕事をしてたお父さんが倒れたこと

お母さんの後を追って彼女も日本へ渡ったこと

それはもう1年ほど前のことで

それまで

それまでの間ずっと

ここで俺を応援してくれていたこと

『だってあの人、ここで君たちの曲流すんだよ？別にいいんだけど、どう考えても合わないでしょ？おかげで若い女の子の客が増えちゃって』

そう言って笑っていたマスターの顔は

もう見れなかった

ハットのつばを深く引っ張って必死に耐えた

でも無理だった

嬉しくて

嬉しくて

苦しくて

悔しくて

今さら合わせる顔なんかないのに

離れてく手を繋ぎ止めなかったのは自分なのに

会いたくて

会いたくて仕方なかった

『そうだ、いいもの見たい？』

思わず顔を上げた俺に

『ごめん、もらい泣きしちゃった』

と言ったマスターの目が赤かった

ゴトゴトとカウンターの下から取り出したのは真っ白な封筒で

『先生してるんだと、韓国語の』

手渡された1枚の写真

制服姿の女の子達に囲まれて

笑ってるAがいた

JK「元気そうで…良かったっ…」

髪伸びた

少し痩せた？

だけどその笑顔は

あの頃とおんなじだ