7人目の東海ちゃん。③ (ページ3)

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あぁ、馬鹿だ私

私が好きだったのはあの頃のてっちゃんだったんだよ

あの、眩しい笑顔と

かっこいい走り姿と

少年みたいな、幼い中身

そういうてっちゃんが好きだったんだよ

今はもう違うのに、あの頃を思い出して

勝手に今も好きだって勘違いしてた

ねぇ、わかんない

私の事あんなに好きって言ってくれたやん

それなのになんで、

なんでよりによっててっちゃんの横に他の女がいるの？

ねぇ、わかんない

いつからてっちゃんは、そんな簡単に人に｢好き｣って言えるようになったん？

あの頃の照れ屋のてっちゃんはどこに行ったの？

私の事ずっと好きって言ってたじゃん

嘘つき、嘘つき、嘘つき

ただ、街中を走り抜けた

逃げたかった、あんな所から

見たくもない、ありえない

脇目も振らずにただ走った

走って、忘れたかった

見たくなかった瞬間を、一瞬でも心惹かれたあの想いを

突然、ブレーキ音が聞こえた

それとうるさい位のクラクション、叫び声

その瞬間、私の体は宙を舞った

嘘みたいに綺麗な空が見えた

それと同時に私は意識を失った