一人の男として ページ21
伊作は私の目を暫く見つめたあと、こう言った
善「僕は本当に心配したんだよ、Aちゃんが傷だらけで医務室に運ばれてから」
「それについては本当に感謝してます!」
そうヘラヘラと笑いながら言った
けど伊作の表情は暗いままだ
私は伊作が何を言いたいのかいまいち分からなかった
暗い表情のまま若干俯いている伊作にどう声をかけようか迷っていた
そうしていると伊作の方から口を開いた
善「Aちゃん、僕は大事にして欲しいんだよ、自分の体を」
「え?」
そんなことを言われると思っていなかった私はあまりにも間抜けな声が出てしまった
善「僕はあれほど言っただろう?無理だけはしないで欲しいって」
「確かに、、、」
本当に嫌という程に伊作には言われた
「いやほんとに、言いつけを破ってしまって申し訳ないです」
と私は軽く伊作に頭を下げた
そんな私に若干納得が言ってなさそうな伊作だがやれやれと言った感じで手を離してくれた
善「2度目はないからね」
「はい、肝に銘じておきます、、、」
そして医務室を用事があるからと言って去ろうとしたが、襖の前で伊作は足を止めてこちらに振り返った
「どしたの、まだ何か、、、?」
まだお説教じみたものが続くのかと、少し身構えたが私はその後拍子抜けすることとなった
善「Aちゃん、僕は本当に心配しているんだ、」
「ウンウンよくわかったよそれは。これからは気をつけるからさ」
さすがにしつこいなと思い、適当に流していると伊作は
善「Aちゃんは僕が保健委員会委員長として心配してると思っているんだろうけど、僕はそんなつもりは無いよ」
「?それってどういう、」
意味?と聞こうとしたが遮られ伊作はこう続けた
善「僕はAちゃんのことを想う1人の男として心配しているんだ、だからAちゃん」
と言われ伊作と私はそこではっきりと目が合った
善「竹谷に取られる前に君が僕のことを好きになるようにしてみせるよ」
それじゃ、と言って伊作はそのまま部屋を出ていった
そして部屋に1人残された私は少し固まっていたがさっきの出来事を脳で処理した瞬間に色々と混乱してきてしまった
私は伊作に何故八左ヱ門が好きなことがバレているのか?
そして八左ヱ門に取られる前にとはどういう意味だろうか、
もしかして、と思ったがそんな都合よく話は進まない
とりあえず気持ちを落ち着かせようと私は布団に入り、無理やり目を閉じ眠った
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もんちゃん - まさか...まさか!!気づいちゃう!!竹谷先輩夢主ちゃんの事好きって気づいちゃう!?夢主ちゃんもつられて顔が赤くなって欲しい!! (2022年11月24日 19時) (レス) @page26 id: aa9892df77 (このIDを非表示/違反報告)
renako4649(プロフ) - もんちゃんさん» コメントありがとうございます!私もじゃんじゃん物語を進めていけるようにしたいと思います! (2022年10月31日 8時) (レス) id: a270f1a7f3 (このIDを非表示/違反報告)
もんちゃん - クッソ。まさかのまさかの伊作君も狙っているとは!!八!!早くしないと夢主ちゃんを取られるぞ!!てか早く八と夢主ちゃんくっついて欲しいんだけど(願望)切実に (2022年10月23日 22時) (レス) @page21 id: 46474643e9 (このIDを非表示/違反報告)
renako4649(プロフ) - もんちゃんさん» コメントありがとうございます!私も可能な限りじゃんじゃんお話投稿していけるように頑張ります! (2022年10月3日 0時) (レス) id: a270f1a7f3 (このIDを非表示/違反報告)
もんちゃん - 初コメ失礼します!!これが両片想いって奴ですね。早く八左ヱ門と夢主ちゃんくっついて欲しいですね!!! (2022年10月3日 0時) (レス) @page17 id: 20e58f2ecb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:線香花火 | 作成日時:2022年8月24日 19時