穴の中 ページ29
好都合?
一瞬私は理解が追いつかなかったがすぐに今の状況がどれだけまずいのか気がついた
(やばい!これじゃあ逃げるにも逃げられない、、!!)
先程のように後ずさろうとするのは確実に無理なのがわかった
八左ヱ門は両腕を後ろに、、いわゆる壁ドンと言うやつをしている
ここまで接近したことがなかったので顔が熱くなり、恥ずかしくて思わず手で顔を軽く覆った
「ァァ、、、」
声にならない声を出しながら恥ずかしさに耐えていた
するとそんなに私に痺れを切らしたのか
竹「A」
と、八左ヱ門が名前を呼んだ
その声は私の耳にいやというほどすんなり入ってきた
私は顔を覆っていた手をそっと下ろした
そして小さな声ながらも私は言った
「その、、八左ヱ門のことを避けてたのは、怖かったからなの、」
竹「怖い?、、俺が!?」
またもやショックを受けてしまった八左ヱ門に誤解させないように訂正した
「違う違う!八左ヱ門のことが怖い訳では無いの!、」
竹「じゃあ、、どうしてなんだ?」
「その、私はいずれ元の時代に帰らなくちゃいけないのは分かるでしょ、、?」
そういうと八左ヱ門は少しだけ悲しそうに「あぁ、そうなな」とこたえた
「だから、怖かった、八左ヱ門と会えなくなるのが、、、」
竹「、、、え?」
私はするりと簡単に出てきた自分の言葉に驚きつつも口は止まらなかった
「八左ヱ門に出会えて、私は今日までずっと楽しかったの、町にも買い物に行ったり、沢山話したり、楽しい思い出がたくさんできた、けど、それと同時に八左ヱ門との日々が終わってしまうのが怖かった」
八左ヱ門の方を私は見れなくなっていた
「だから、自分が傷つかないように、少しでも傷を浅くするために、、八左ヱ門のことを避けることにしたの、、」
「まあ、かえってそれが私を苦しませる原因になったんだけどね」
私は軽く笑ってみせた
八左ヱ門は今のを聞いてどう思っただろうか
告白ともとれる今の言葉に
引いただろうか、嫌われてしまっただろうか
どっちにしろ今の私にはそんな考えしか浮かばなかった
好きな人を避けて傷ついて、それで嫌われる
あぁ、なんで最悪な日なんだろう
そんなことばっかり考えていたら次第に涙が少しずつ目から溢れ出してきた
泣いちゃダメだと思い、目を擦ろうとしたら不意に腕が前に引っ張られた
「っ、、」
気がついたら私は八左ヱ門の胸の中にいた
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もんちゃん - まさか...まさか!!気づいちゃう!!竹谷先輩夢主ちゃんの事好きって気づいちゃう!?夢主ちゃんもつられて顔が赤くなって欲しい!! (2022年11月24日 19時) (レス) @page26 id: aa9892df77 (このIDを非表示/違反報告)
renako4649(プロフ) - もんちゃんさん» コメントありがとうございます!私もじゃんじゃん物語を進めていけるようにしたいと思います! (2022年10月31日 8時) (レス) id: a270f1a7f3 (このIDを非表示/違反報告)
もんちゃん - クッソ。まさかのまさかの伊作君も狙っているとは!!八!!早くしないと夢主ちゃんを取られるぞ!!てか早く八と夢主ちゃんくっついて欲しいんだけど(願望)切実に (2022年10月23日 22時) (レス) @page21 id: 46474643e9 (このIDを非表示/違反報告)
renako4649(プロフ) - もんちゃんさん» コメントありがとうございます!私も可能な限りじゃんじゃんお話投稿していけるように頑張ります! (2022年10月3日 0時) (レス) id: a270f1a7f3 (このIDを非表示/違反報告)
もんちゃん - 初コメ失礼します!!これが両片想いって奴ですね。早く八左ヱ門と夢主ちゃんくっついて欲しいですね!!! (2022年10月3日 0時) (レス) @page17 id: 20e58f2ecb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:線香花火 | 作成日時:2022年8月24日 19時