その無自覚、どないかならん？２【稲荷崎】

侑にも ページ31

"まあ、結果はついてくるからな"



『つまりそれって……………………



どういうこと？？？？？？？』


侑「知らんわ俺に聞くな
俺がわかると思うんか」

『ごめんやん』



翌日

三回戦の相手の公式練習中の給水時に
Aが双子に問いかけた



治「…北さんにとって結果は副産物やけど、その副産物は一将さんの頼みに届くってことなんちゃうんか」

『なるほど』

侑「あくまでも自分の信念は曲げへん、か
北さんらしいわ」

『そうやなあ』



三人が揃って北の方をみる

少し向こうにいた北はそれに気がついて、口パクで「なんやねん」と言ってきた

三人して首を横にぶんぶんとふる



『…なあ、いまのめっちゃ可愛かったくない？』



北がそっぽを向いてからAが双子にまた話しかけた



治「それは俺も思った」

侑「くそ、不覚や…」



ﾋﾟｰｰｰｰｰｰｰ!！！



公式練習終了の笛がなる

三回戦が始まるのだ


応援席が騒がしくなって

みんながゾロゾロと整列に行く



治「A」



そんななか、治がまたぴょこぴょこと寄ってきて、甘えた声でAの名前を呼んだ

お願い、とでも言いたげに治がおでこを指差して屈む

Aは治が何を求めているのか気がついて頬を染めながら眉を下げた



『昨日角名から聞いたけど、何かツイッターでそれなりに炎上してたらしいねんな

"宮治彼女"とか"稲荷崎マネージャー"とか"宮治笑顔"とかそれ関連のハッシュタグ爆発的に増えたらしいで』

治「そうなん？
まあでも俺はおまじないやってもらいたいだけやからそんなん気にせんよ
Aも気にせんやろ？ほらはよー」

『うん、まあ、治が気にせんなら…』



ﾁｭ、と小さなリップ音が鳴る

昨日と同じように会場がどよめいた



『頑張って』

治「ん」

侑「ちょ、ちょちょい！！
昨日といいお前だけ何やねん！！」



二人のところに侑が走ってきて、
治に体当たりする



『え、何、侑もやってほしいん？』

侑「うん」

『！』



Aは冗談で言ったつもりだったのに、侑に真顔でそう返されて、ぶわっ、と頬を赤く染めた



『う、あぐ、……は、はよ屈めや』

侑「え！やった」



侑が満面の笑顔で屈む

また小さなリップ音が鳴った

再び会場がどよめく



双子「A、絶対勝ってくるからな」



双子の真剣な顔にAは何だか照れくさくて笑い返すしかできなかった



結局その日は三、四回戦とも勝って準決勝に進み、#宮兄弟と#でこチューがトレンド入りした

うちの子らがかわいすぎる→←ほんまは、寂しい

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す