その無自覚、どないかならん？２【稲荷崎】

仲良しか。 ページ26

『侑…やめて…
そんなんあかん
そんなん許さへん』

侑「…俺はお前に何と言われようがこの決意は変わらへん」



夜


宿舎の中で侑とAはお互いを睨みあっていた

ピリッとした雰囲気に、それをみていた部員の誰もが冷や汗をかく



侑「俺は決めた！！！！
こっちやぁぁぁぁああ！！！！」



ﾊﾞｯ！！！と侑が手を高く上げた

その手には、一枚のカード



侑「って！！！！
ジョーカーやんけ！！！！！！！」

『ぶぁっはっはっは！！！
騙されたな侑ーーー！！！』

治「お前らはよ決着つけろや…」



撃沈する侑を指差して、Aが大笑いする

今まさに、Aと侑は二枚の数字カードと一枚のジョーカーを巡って真剣勝負をしていた

かれこれこのやりとりを七回は繰り返している



侑「くっそ！！取るなゆーからてっきりこっちが数字カードやと思ったやんけ！！」

『いや誰も取るなとはゆーてないけど』

侑「ぬ…まあええわまだ負けとらんしな
ほら来いや！！」



侑がAの目の前にカードを二枚差し出す



『ふ、侑
最終的に勝利の女神は私にふり向くんだよ』



Aがカードに手を伸ばす



『ハーゲ○ダッツはもらったぁぁぁあああ！！

ってまたジョーカーかよ！！！！！！』

侑「うあっはっは！！！
なーにが勝利の女神は私にふり向く、やねんだっさぁぁぁあ！！！」

角名「お前らうるさいんだけど」

治「三年が風呂やからってこれ見よがしに叫びよるな」



ついに八回目になったこのやりとりに、治と角名がため息をつく



銀島「あれ？何かバイブ音聞こえるけど。
誰か鞄のなかで携帯鳴ってない？」

『え、あ、私や！』



銀島の一言で、Aは部屋から持ってきていたミニバッグの中で自分の携帯が震えていることに気がついた



治「もう九時やけど
ていうかこんな時間に電話かけてくる相手とかAにおったか？」

侑「大門ちゃうのん」

『失礼やな！！いや確かに友達おらんけど！！
あと大門は日中着信うるさいけどこの時間は弟寝かすからかけてこーへんはずや』

角名「え、じゃあ誰」



Aが鞄のなかで震えている携帯を手探りで探し当てた

画面を見る

それと同時に、他の二年四人も画面を覗き込んだ



『あ！』

双子「え！！」

三人「おとん！！」

え、双子の父ですか？→←ひますぎてかきました。

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