その無自覚、どないかならん？２【稲荷崎】

咲いたのは、２ ページ15

Aside



ﾄﾞｫｫｵｵﾝ…!！ﾊﾟﾗﾊﾟﾗ…



『わぁぁあ
綺麗ですね！北さん』

北「ん、そうやな」



_____さっき、私の携帯を取り上げた北さんの顔は、初めて見る顔やった


どんな顔？って言われたら、難しい


でもなんか、たぶん、
嬉しいときにする顔やない


それに…



"マネージャーの、独り占め"





チラリ、と北さんの方をみる



『！！』

北「！」



そしたら何でか目があった

こっそり見ようとしとったのに目があって、羞恥心から目を逸らす



また、花火があがった



『わ！今の大きかった！！
北さんみました？！今のめっちゃ綺麗やった…』



ごまかそうとして、花火が綺麗だと言いながら北さんを見た

そしたら、北さんはまだこっちを向いていた



『き…北さん？』



呼び掛けても返事がない

ただじっ、と、真っ直ぐ私を見つめていた

その真っ直ぐな瞳に、吸い込まれそうになる



『え』



北さんが、私に向かって手を伸ばした

同時に、北さんの綺麗な瞳が近づく


一瞬、ほんの一瞬

北さんの瞳が
獣のようにギラついた気がした



『北さ_____』

北「あ、やっぱり」

『えっ』



次に瞬きすると、北さんはさっきの位置に戻っていた



北「髪になんかついとったわ」



北さんが、さっき伸ばした手をぺぺっと振った



『あ、何か取ってくださったんですか？
ありがとうございます』

北「ううん、ええよ

…綺麗やな、花火」



そう言って笑った北さんは、
いつもの北さんだった



『(キス、されるかと思った)』

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