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二回目の深澤さんの部屋。
今日は前回よりもずっとずっと緊張している。何故か分からないけど、ソワソワする。
「Aちゃんの手料理食べたい」
と深澤さんがニコニコしながらお願いするものだから、簡単に作れば「美味しい」と食べてくれる。
ちょっと前まで何にも思わなかったはずなのに、
私は今、深澤さんは私のことが好きで…私と深澤さんは付き合っていて…と考えるだけで幸せな気持ちになれる。
もぐもぐと口に詰めて食べる深澤さんが可愛くて、じっと見つめていたら、ホワイトウッドを基調としたナチュラルな部屋に数冊本が立てられているのを見つけた。
「…本、読むようになったんですか?」
「ん?あ、そう」
深澤さんは呟いて、「ちょっとだけね」と笑う。
「読書してこなかった俺でも読みやすい本、メンバーの阿部ちゃんわかる?」
「…たぶん」
「その阿部ちゃんに聞いてね、何冊か買って読んでみてるけどけっこー面白い」
自意識過剰なのかもしれないけれど、私に影響されて本を読むようになっているのかも…と期待してしまう。
違ったら恥ずかしいと思い聞くこともできず、黙り込めば
「Aちゃんに影響されたんだよ」
と深澤さんは恥ずかしそうにメガネを上げながら言った。
「俺、Aちゃんのこと好きになってからずっと辞められなかったタバコもあっさり辞められたし、おまけに読書も始めちゃったし、なんだかすげぇ健康的で文化的な人間になれそう」
そう少し身をかがめて私の目に合わせ、「ね、そんな気がしない?」と深澤さんが首を傾げるたびに、チリチリと2連のピアスが重なり揺れて。
あぁなんて物腰が柔らかいんだろう。それでいて言葉が真っ直ぐなんだろう。
たとえ嘘でも舞い上がるように嬉しくなってしまう。
たとえ嘘でも…なんて思うのは、深澤さんが見せる余裕からなのかもしれない。
「嬉しい。嬉しいけど…女慣れ、してますね」
「え?そう?」
「はい。私が欲しい時に欲しい言葉を投げかけてくれるから」
私が言うと、深澤さんは「えぇ?」と首を傾げる。
「たまたまじゃん?」
「違いますよ。私の気持ちが全部見透かされてるみたい」
「んー…Aちゃんの心全部見透かせたら、めちゃくちゃ嬉しいんだけどねぇ」
そして、そう言いながら私の頬や髪を撫でて
「本当にかわい。…ちょっと今日はしたいかもな」
なんて、少しだけ頬を緩ませてニヤつきながらも、簡単に言ってのけるのだ。
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name - 2個のコメントを書いた者です。2個のコメントを消していただきたいです。お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願いします。 (2023年2月21日 23時) (レス) @page10 id: 06057a0d21 (このIDを非表示/違反報告)
name - (続き)お忙しいと思いますが、よろしくおねがいします! (2022年12月11日 0時) (レス) id: 22bcb9612f (このIDを非表示/違反報告)
name - はじめまして!素敵な作品なので感動してます!minmin様の他の作品が読みたいので@snmn_minminを検索したのですが、見つかりませんでした!こちらの機械の不具合かもしれないのですが、アカウントの探し方を教えてほしいです! (2022年12月10日 23時) (レス) @page10 id: 22bcb9612f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:minmin | 作成日時:2022年5月24日 19時