49 fukazawa ページ11
Aちゃんに好きって言われた。
Aちゃんに好きって言われた。
Aちゃんに好きって言われた…
仕事に向かうタクシーの中、ニヤニヤが抑えきれずずっと窓の外や、スマホ、タクシーのモニターなど、様々なところに視線を動かしては、緩んだ頬を隠すために手で口元を摩る。
正確には「好きかも」と濁された訳なんだけども、そんなこと、今の俺にはどうだっていい。
漸く、あの「私はアセクシャルです」と言い張っていたAちゃんが俺のことを男として見始めたんだ。
そんなAちゃんをしっかり抱き潰した今日ばかりは、都合よく解釈していたい。
家を出る時だって、突然
「深澤さんは、アイドル業以外にも女優さんとかと共演されますよね」
「んんー、まぁするときもあるっちゃあるけど」
「プライベートでも関わったりとか…やっぱりあるんですか？」
と、素朴だけれど可愛らしい顔を歪ませて俺に尋ねてきた。
え…嫉妬？ついに、アナタ嫉妬するまでになったの？って内心嬉しさ大爆発で大慌てだけど、悟られないように
「俺、本気になったらめっちゃ一途だから。安心して」
と伝えれば、「そうですか」と、聞こえるか聞こえないかのボリュームでAちゃんは呟き、ゆっくりと俺の顔を見てふわぁっと安心したように微笑むのだ。
今年30とは思えない純粋無垢なスッピンの肌に、手を沿わせて恥ずかしそうに、でも幸せそうに、笑う姿はもう、たまんない。
…ん〜
やっぱりマジでたまんない！！可愛い！！
数ヶ月前の俺に見せてやりたい！Aちゃんがこんなにも女の子だ！！
脳裏にこびりついたAちゃんの笑顔と優しい方に、思わずタクシーの中で「ふっ」と声に出して笑ってしまえば、ミラー越しの運転手に「なんだコイツ」とあからさまな目で見られた。
タクシーを降りてノロノロと浮ついた足取りでテレビ局に行けば、楽屋にいた佐久間に、開口一番に「顔デレッデレじゃん！深澤マジ分かりやすい」と指摘される。
「んなラブラブなの？」
こんっな口軽そうなのに妙に律儀に誰にも言わずに居てくれているらしい佐久間は、小声でそう俺に尋ねた。
「たは！まぁ、ご想像にお任せします」
「うわ！だっる〜！そういうとこあるよねお前」
「ははっ、いーんだよ。ほっとけ」
「やれやれ」と言わんばかりに呆れている佐久間を横目に
A私も今から家出ますね📖お仕事頑張ってください〜
というLINEにまたニヤけた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2943人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
name - 2個のコメントを書いた者です。2個のコメントを消していただきたいです。お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願いします。 (2023年2月21日 23時) (
レス) @page10 id: 06057a0d21 (このIDを非表示/違反報告)
name - (続き)お忙しいと思いますが、よろしくおねがいします! (2022年12月11日 0時) (レス) id: 22bcb9612f (このIDを非表示/違反報告)
name - はじめまして!素敵な作品なので感動してます!minmin様の他の作品が読みたいので@snmn＿minminを検索したのですが、見つかりませんでした!こちらの機械の不具合かもしれないのですが、アカウントの探し方を教えてほしいです! (2022年12月10日 23時) (レス) @page10 id: 22bcb9612f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：minmin
| 作成日時：2022年5月24日 19時
