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案の定、縫われて処置は終わった。
そして事情聴取を終えて、自分の家であるマンションまで勝己君は着いてきてくれた。
「…寒いし、中で話してもいいかな」
「おう」
あの一件がなければ、久しぶりに勝己君が家に来てくれたことに
素直に喜んでいたのに。
「なんか、飲む？」
「いい。」
そっか、と言って2人掛けソファに座ると勝己君も座った。
肩と肩がくっついたことに驚いて、思わず横を向けた。
すると、後頭部に手を回されて、身体が引き寄せられた。
「どんだけ心配したと思っとんだ」
耳元で震えた声が聞こえた。
大切なものが見つかって、それを愛おしく抱きしめるようだった。
「家に行ったらいねえ、電話かけても出ねえし繋がんねえ。
麗日とかに連絡してもお前がどこいンのか知らねえって。」
手を繋ごうとも、どこかに出かけようとも言われなくたっていい。
この人にとって、私が"大事な人"であればそれでいい。
「…ごめん、なさい」
溢れた涙が、勝己君の肩に落ちる。
それはどうしたって止められない。
「心配かけて、酷いこと言って、ごめん…」
「言ったことは気にすんな。ただし、心配かけンのは最初で最後にしろ。じゃねえと二人きりで過ごす時間減ンだろ」
密着していた身体が離れると、勝己君は私の涙を拭った。
「うん…って、え？いま、なんて…」
「…怪我、大丈夫なんか」
「えっ、ああうん。動いてもそこまで痛くないし、サイドキックとして全然動けるけど…」
「なら、今日は泊まる。んで明日は昼すぎにスマホ買いに行って、俺ンとこ来い。」
「なんで昼すぎ…？」
「テメェが"したいって言えなかった"って言ったんだろ。」
勝己君の言葉を聞いて、やっと意味が分かった。
恋人同士がすることをやるということだ。
「え、勝己君、私と恋人っぽいことしたいって思ってたの？！」
「なに当たり前なこと言ってんだ。俺が抱きしめたときテメーが
嫌がってたからしてなかっただけだわ」
「嫌がってないし！！緊張してただけだし！！」
「はあ⁉︎テメェ分かりにくいことしてんじゃねえぞ！」
「私が悪いの？！」
好きな人は、好きになる人を間違えたと思っていた。
けどそれは大きな間違いだったらしい。
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えむむ(プロフ) - ゆっきーさん» ありがとうございます！ 別作品が連載できましたらよろしくお願いいたします！ (2023年3月13日 19時) (
レス) id: 2134a4f440 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっきー - とても良かったです！別作品も楽しみにしています！ (2023年3月12日 14時) (レス) @page11 id: affcd77921 (このIDを非表示/違反報告)
あやっや - 楽しいですね (2023年2月17日 12時) (レス) @page10 id: c8057eaae3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えむむ
| 作成日時：2023年1月29日 11時
