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9-おやすみ(夢主) ページ10
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「じゃあ…これから共同生活するんだし、そろそろ教えてもらわないとね」
「…何を？」
「何をって…君の名前だよ。まだ聞いてなかったしね。
それと…君のことも教えて欲しいな。ぼくばっかり知られてるのも、なんだか悔しいし」
君のことも教えて欲しいな。
…皆さん、二次元の推しに、今生きている自分に向かって、こんなことを言われることがあるでしょうか。
否、ない。
「えっ！？どうしたの！？」
私はそのまま手を合わせて昇天した。尊死。
いや、気絶した。正確に言えば、気絶するように眠った。
「色んなことがあって、疲れたんだね……。
別の世界からいきなり自分の部屋に男が来て、たくさん頭を使って…最後には、ぼくの分までご飯を作ってくれて…」
嶺二は、私をゆっくりと抱き上げる。いわゆるお姫様抱っこというやつだが、意識のない私は抵抗の術がない。
そのままベッドに寝かせられ、そっと耳許で囁かれた。
「…おやすみ、いい夢を。」
「…ん、れい…じ…」
私の寝言を聴いた嶺二は、ふふっと笑って、そっと私の髪を撫でた。
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作者名：レナ | 作成日時：2020年5月1日 11時
