6-別の世界(夢主) ページ7
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「ぷっ…、あははははは！！！……はぁ、涙出てきちゃった…
もう、何言ってるの？確かに、ぼくの世界にもアニメや漫画、ゲームはあったよ。でもぼくは紛れもなく、生きている人間だ。空想の存在なんかじゃないし、そもそもそんなことはぼくのファンの君が1番よく分かってるんじゃない？こんなにぼくのポスターを壁一面に貼って、ストーカーかと思うくらいぼくのことを知ってる。
…ねえ、いい加減本当のことを話してよ？」
「………」
私は黙ってゲームを取り出した。私の大切な、大好きなゲームを。
「………これを、やってみてください」
「……これ？主人公が、後輩ちゃんなの？……この写真の撮影は、した記憶があるけど……こんなゲーム、うちの事務所から出てたっけ…」
「少しだけ、でいいです」
そう言って私は嶺二ルートの終盤をプレイさせた。すると、嶺二の顔がみるみる青ざめていく。
「…なに、なんだよこれ…！！どういうこと…！？ぼくと後輩ちゃんが…っていうか、どうしてぼくのことをこんなに詳しく…」
「…わかって、もらえましたか？」
「わからないよ……！！こんなの、ぼくのことを調べて非公式で作った、タチの悪い素人のゲームだろ…！！」
「……なら、自分のことを、調べてみてください」
「え……？」
「どうぞ、このスマホで、自分のことをネットで調べてみてください」
「………」
嶺二は言われた通りにスマホを受け取って操作し、検索結果が書かれたその画面を暫し見つめ、大きく溜息をついた。
「………信じられない」
「……まぁ、そうですよね……」
心中は察する。
でも、嶺二はそれほど馬鹿じゃない。どんなに信用出来ないネット上の情報でも、ここまで徹底して書かれていたら、さすがに理解するだろう。
「………ぼく、エゴサ、したことあるんだ。でも……その時の結果とはまるで違う。ぼくが見ていた記事も、存在しない。……ここは、本当に別の世界なんだね………」
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作者名：レナ | 作成日時：2020年5月1日 11時
