3-あなたは誰？(夢主) ページ4
*
「…落ち着いた？…ぼくも、この状況がよく分かっていないんだけど…、ここは、君の家？」
「…………はい。私の家ですが…………どうやって入ったんですか」
こいつはきっと偽物。
嶺二のふりをして私の部屋に不法侵入した変質者だ。
「だから…気がついたらここにいたんだって。
ぼくは、いつものように仕事から帰ってきて、リビングでくつろいでいて、テレビの電源を付けたんだ。そうしたら、ここにいたんだよ」
「……信じられません」
「…ぼくだって、まだ信じられないよ。ここに来て周りを見回したら、ぼくのポスターがそこら中に貼ってあるから、てっきりぼくのファンの子が…」
「ちょいちょいちょいちょい！！！！！」
何勝手に見てんの！？！？普通に恥ずかしいんですけど！！！
ていうか“ぼくのポスター”って……いやいや、なりきってるだけかもしれない。騙されちゃダメだ。
「…どうしたの？」
「いや、あの……部屋を見られるのは、普通に恥ずかしいんで…その……勘弁してください」
「……そうだよね、ゴメン。女の子の部屋を勝手にジロジロ見るものじゃないね。…でも、少し嬉しかったんだ。」
「え…？」
「この部屋を見て…ああ、ぼくのことをこんなに好きでいてくれる子がいるんだ、って。…まぁ、同時に、誘拐されたかと思って怖くなったけど…君の反応を見ると、それも違うみたいだしね」
「あ、あの……、その、不躾なことを聞きますが………あなたは、本当に、その……、寿嶺二、なんですか……？」
「？…うん、そうだよ？…どうして？」
まるで、見ればわかるだろう、という反応。…もしかして、本当の本当に…？
「………あの、じゃあ、私がどうしてあなたのことを疑っているのか話す前に、いくつか質問をしてもいいですか」
「あ、もしかしてそっくりさんだと思ってる？ふふふ、いいよ。何でも答えてア・ゲ・ル☆」
うぜえ。シンプルにただただうざい。
「…コホン。じゃあ、まずは…」
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作者名：レナ | 作成日時：2020年5月1日 11時
