8-天才科学者3(夢主) ページ9
*
空助さんは少し困ったような顔をした。
「どうやってって…、口で説明するのは難しいし…、見た方が早いと思うけど、どうせ見ても分からないでしょ?」
空助さんは数式がびっしりと書かれた紙を差し出す。
…な、なんだこれは……。意味がわからない。
「こ…これが設計図?なんですか…?」
「…あぁ、設計図?設計図はこっち」
空助さんが壁に貼られた紙を指さす。
あ…!これならわかりそう…!
所々細かく書かれている英語は分からないが、図は何となくわかった。少なくとも数式よりはわかりやすい。
これを…一人で考えて、一人で作ったのか…
「……本当に、すごいですね……」
「…普通の感想だね」
「あの、また、見に来てもいいですか?」
「…え?」
空助さんが目を丸くする。
「わからないのに、見たいの?」
「わからないから、見たいんです!出来れば、わかるようになりたいですけど…」
「………別に、いいよ。僕の邪魔をしないならね」
空助さんは興味がなさそうに言った。
「ありがとうございます!!」
私は深くお辞儀をし、その日は帰った。
次の日から、私は空助さんの研究室によく行くようになった。
いろいろな機械の設計図を見せてもらったり、薬の配合表とか、原理について書かれたものとか…わからないものは質問すれば、簡単に答えてくれた。
特に面白かったのが、空助さんが開発したものを見せてもらうことだった。
すごいものから、少し変なものまで、たくさんあった。
本当にすごい人なんだな……
確かに、1人でここまでできるなら、他の人が猿に見えてしまうのも仕方の無いことなのかもしれない、と、少しだけ思った。
***
ある日、空助さんは突然、「研究に集中したいから、もう来ないでくれる?」と言った。
どうして、と聞いたら、
「理由は言ったでしょ。…しつこいよ」
空助さんは目を細め、冷たい声でそう言い放ち、私は研究室を追い出されてしまった。
どうして突然…
でも、空助さんがああ言っている以上、これ以上しつこくするのも…
そう思って仕方なく帰ろうとすると、私は黒ずくめの男の人に後ろから手を抑えられ、何か液体を湿らせた紙で口許を覆われた。
しまった、そう思って息を止めたが、やがて苦しくなり、その薬品を吸い込んでしまった。
意識が遠のく。こんな、漫画みたいなことあるんだ…。
次に目を覚ましたのは、金属の壁に囲まれた場所だった。
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レナ(プロフ) - いろはさん» 最高の作品だなんて、嬉しい…!!空助さん良いですよね…!空助の可愛さとかかっこよさを上手く表現出来ていたなら良かったです…(*´ω`*) (2020年10月14日 21時) (レス) id: 2e745625de (このIDを非表示/違反報告)
いろは - 空助めっちゃ好き...!可愛くてかっこよくて、最高の作品ですッッッッッ (2020年9月26日 13時) (レス) id: 783a9cd7e8 (このIDを非表示/違反報告)
レナ(プロフ) - アイスあるさん» ありがとうございます!!嬉しいです!頑張りますね!! (2020年4月30日 9時) (レス) id: 2e745625de (このIDを非表示/違反報告)
アイスある - 面白いです!更新頑張ってください!! (2020年4月29日 16時) (レス) id: 38b2fa8d4e (このIDを非表示/違反報告)
レナ(プロフ) - 玲楓(れいふう)さん» 空助さん推しだったんですね…!!期待通りのものが作れるか不安ですが、頑張りますね!!! (2020年4月15日 15時) (レス) id: 2e745625de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:レナ | 作成日時:2020年4月14日 5時