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デスクに座って、コーヒーを飲みながらさっきの廉と岸くんの発言を思い出す。
どっちも言ってることは間違ってないと思うんだけどなぁ、
…まぁ、人によって捉え方は違うから。
私は気にせずパソコンに向き直った。
_____この時点でもう何かが変わり始めていた。
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『…2700、300……5200、10……、よしっ』
これで今日やる仕事は終わりーっと!
時計を見るとちょうど定時で、私は荷物を纏める。
向かい側を見ると、今日も残業なのか頬杖をつき眉間にシワを寄せた廉。
『廉さんは今日も残業ですか?』
廉「可哀想だと思うなら俺にコーヒー持ってきてや、眠い」
『別に思ってないけど、缶コーヒーならあげる』
さっき買った缶コーヒー彼に渡した。
廉「さんきゅ」
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岸「Aさんも上がりっすか?」
『うん。岸くんは最近、調子良さげだね?』
岸「定時と残業じゃ、次の日のモチベ全然違いますからね!」
『……あー、めっちゃ分かる』
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廉「チッ…、うるさいからさっさと帰れや」
定時で浮き足立てている私達にイライラぶつけるように廉が舌打ちをした。
でもそんなことで私は怯まない。
知らない人なら震え上がるくらいの形相しながら舌打ちしてるけど、私はもう何回も遭遇してるので慣れたっていうのかな?
『じゃ、お先に失礼しまーす』
疲れた顔の廉を残して私はそそくさと会社を後にした。
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廉「はーーー!…終わったぁ」
手を上に上げて、んーっと凝り固まった体を伸ばす。
時計を見るともう日付が変わる前で
早く帰って風呂に入りたいと思いながら、急いで荷物を纏める。
最後に中に誰もいないことを確認して、電気を消し鍵を閉めた。
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駐車場に行くと車がまだ数台残っていて、
俺と同じ残業の人かなと思い、静かに合掌した。
エンジンをかけ、ヘッドライトを付ける。
ハンドルを普段より荒く回して、速いスピードでビル街を通り抜けた。
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はる - とても面白くて一気読みしていました!続きが気になるので、宜しければパスワードを教えて頂きたいです。よろしくお願いいたします! (2021年6月24日 1時) (レス) id: 8cb2e2585a (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - 『殻を知らない蛇は』を読んで、とても面白いなと思ったのでこちらの作品も読ませていただきました!続きが気になるのでパスワードを教えていただきたいです。よろしくお願いします! (2021年6月22日 21時) (レス) id: 22c18f65d8 (このIDを非表示/違反報告)
sweetlarme(プロフ) - Rieさんのお話どんどん続きが気になって一気読みしちゃいます。続きが読みたいので、良ければパスワードを教えていただきたいです。よろしくお願いします。 (2021年6月3日 23時) (レス) id: cc4072ce2b (このIDを非表示/違反報告)
かに(プロフ) - パスワード教えていただきたいです! (2021年6月2日 19時) (レス) id: 0501681899 (このIDを非表示/違反報告)
An(プロフ) - Rieさんの世界感とっても好きです。宜しければパスワード教えて頂きたいです。続きがとても気になってます、、 (2021年6月2日 18時) (レス) id: 9f0db7920c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Rie | 作成日時:2020年1月17日 0時