ダーティーラブ《Yuta.K》

. ページ31

.






山「課長！！ちょっと待ってください…！」





「お前なんかクビだ！！！！！」






山「すみませんでしたっ、
こ、これからはもっと頑張るんで…！
クビだけは、どうか勘弁して下さい！！」





何事かと思い、横目で見ながらコーヒー片手に廉と岸くんの隣に並ぶ。





『山田くんどうしたの？』





廉「俺もよう分からんけど、提出が間に合わなくて怒られてるみたいやで」





『……へぇ、』





廉「それにしても、あんなん理不尽過ぎるやろ。
仕事もほぼ課長の押し付けやし、毎日残業もしてあいつ頑張ってるのにさ、」






.






.






.





.






.






岸「でも結局は、彼の努力が足りなかったんでしょうね」





彼を見れば驚く程、真っ直ぐな目をしていて





廉「…は？お前も見てたやろ？努力してないように見えるか？」






岸「してないとは言ってないです、足りないと言ったんです」






.





.





少しの沈黙の後、岸くんがはっとしたように私を見た。






岸「まっ、Aさんは気にすることないっすよ！」





ポンポンと肩を叩かれて、彼にされるがまま席に座らされる。







.







.






.






.






.







.







.





.






.






.







.







どうしたらそんな真っ直ぐな目でそんなこと言えるんやお前、






少しでも可哀想とか、思わないんか…？





それとも俺が同情しすぎ…？





いつも見ているあいつとさっき見たあいつがなんだか違う人に見えた。

.→←.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す