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『なんだ、後輩かぁ』
今日もビール片手に枝豆をつまむ。
岸「でも俺、Aさんの事知ってましたよ」
『え、あぁ……そっか』
岸「いや挨拶の時言おうか迷ったんですけど、話したことは無かったんで、笑」
それからも大学のことだったりお互いのことを話したりして
岸くんは定食を食べ終わり、烏龍茶をちまちま飲みながら話を聞いてくれた。
彼が聞き上手なことも関係しているのか分からないが
おかげでお酒のペースは上がり、
気がつけば私はもう出来上がっていた。
岸「そういえば、Aさんって大学の頃、彼氏居ましたよね?」
『え、隠してたつもりだったのに…、何で知ってんの?』
大学では彼氏が居たけど、本当に仲良い人にしか言ってなかったから岸くんが知っていることに正直驚いた。
……それも結局はバレてしょうがなく言った感じだったけど
岸「うーん…。俺、路チューしてるAさん見ちゃって」
『え、』
岸「俺の勘違いだったら申し訳ないんすけど、
その時Aさん、嫌がってた気がして」
.
岸「…本当に付き合ってたんですか?」
『……付き合ってたよ』
岸「彼氏さんって結構遊んでるので有名な人でしたよね?」
『……そう、だね』
岸「俺、Aさんがそいつと付き合ってるのが不思議だったというか、その時はこの人見る目無いなぁって思ってて、」
『……うん、確かに』
そう肯定する私を見て、はっと我に返ったような表情で岸くんは声を発した。
岸「…っあ、すみません、俺、」
『ううん。いいの、実際そうだし』
どこか思い詰めた様子でまた彼は話し始めた。
岸「あの、噂で聞いたんですけど…
そいつ最近彼女に振られて今は他の誰かに付きまとってるみたいで」
『そう、なんだ……』
何故この事を岸くんが知ってるのかは分からないけど実は前からしつこく連絡が来ていた。
____同窓会で再会したあの日から
岸「その誰かってAさんだったりしないですよね?」
仕事中にも関わらず電話が何回も来たり、
しつこくメッセージが送られてきたりしていた。
誰にも相談出来ずに、私は恐怖で押し潰されそうだったこともあり次第に視界がぼやけていった。
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はる - とても面白くて一気読みしていました!続きが気になるので、宜しければパスワードを教えて頂きたいです。よろしくお願いいたします! (2021年6月24日 1時) (レス) id: 8cb2e2585a (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - 『殻を知らない蛇は』を読んで、とても面白いなと思ったのでこちらの作品も読ませていただきました!続きが気になるのでパスワードを教えていただきたいです。よろしくお願いします! (2021年6月22日 21時) (レス) id: 22c18f65d8 (このIDを非表示/違反報告)
sweetlarme(プロフ) - Rieさんのお話どんどん続きが気になって一気読みしちゃいます。続きが読みたいので、良ければパスワードを教えていただきたいです。よろしくお願いします。 (2021年6月3日 23時) (レス) id: cc4072ce2b (このIDを非表示/違反報告)
かに(プロフ) - パスワード教えていただきたいです! (2021年6月2日 19時) (レス) id: 0501681899 (このIDを非表示/違反報告)
An(プロフ) - Rieさんの世界感とっても好きです。宜しければパスワード教えて頂きたいです。続きがとても気になってます、、 (2021年6月2日 18時) (レス) id: 9f0db7920c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Rie | 作成日時:2020年1月17日 0時