Hello (ページ9)

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「あとはここにこれを...っと、出来た」

' はい ' と渡されたタブレットを見ると

1時間前までは味気なかったデザインが

ビタミンカラーなどが追加されて生き生きしている。

「すごい... 」

「ははっ、ありがとう」

「こんなに才能たっぷりなのに、なんで彫塑科？」

「ん〜好奇心？デザインは沢山学んだから」

「なるほど... 」

同じ美術大学でも彫塑科とデザイン科は

扱うものに大きく違いがあるから、勇気の要る決断。

この時ひとつ、彼の尊敬する部分を見つけた気がした。

「もう、帰る...？」

「うーんそうだなぁ、」

「 ...手伝って欲しいって言ったら困る？」

「全然、私も助けてもらったもん」

「本当？」

「うんㅋㅋ 」

「じゃあそこに座ってて」

立ち上がろうとした私の肩を掴んで、イスに戻した。

「居るだけで俺は助かるから」

なんてサラッとイケメン発言されたら、

さすがに頬も赤くなっていたのだろう。

「あははっ、照れてんの？ㅋㅋ 」

「暑いの！」

私はからかわれてちょっと恥ずかしいのに

彼は涼しい顔をしながら ' 確かにちょっと暑いね〜 '

なんて言いながら作業を進めている。

悔しいけど私の負けだ。これはモテる。

ロンジュンくんに会わなかった１ヶ月、

キャンパス内で彼の噂を何回聞いたことか。

最初は誰か分からなかったけど

・彫塑科
・綺麗で中性的な顔立ち
・身長は170くらい
・中国人

この４つの情報が出揃った時、確信した。

特に最後のなんて決定的で、

その日を境に噂をもっと聞くようになった。

恐らく彼は誰にでも優しくて、誠実な人で

可愛い顔で微笑まれたら好きになるよな...

「ヤー、聞いてる？」

「え？何か話してた？」

「いいや？話してない」

「ええ？」

唐突に変なことを言ってきたロンジュンくん。

作業に疲れて頭やられたのかな、と思っていると

「や、真剣な顔して見てくるから... 」

「私が？」

「お前以外に誰がいんだよ！ㅋㅋ 」

「なんか、ごめんㅋㅋ 」

「別にいいけど！」

なぜかちょっと怒りながら作業に戻った。

そんな彼の頬は可愛いピンクで染められていた。
　
　
　